なぜかくまのプーさんが人気。ルーキーが入寮時に持ち込むこだわりの品

パ・リーグ インサイト

2018.1.10(水) 00:00

年が明け、各球団のルーキーたちが次々と入寮を済ませる。その際、毎年注目を集めるのが、彼らが持ち込む個性的な私物の数々である。こだわりの野球道具や思い出の品にはじまり、「自己投資」と称して高級寝具を持参する選手もいれば、アマチュア時代の仲間たちや家族からの寄せ書きを、大事そうに抱えてくる選手もいる。ここでは、今年のパ・リーグのルーキーが持ち込んだものの一部と、過去に話題になったアイテムのいくつかを見ていきたい。

【北海道日本ハム】
・鈴木遼太郎投手 「乃木坂46」のポスターと桜井玲香さんの写真集
・宮台康平投手 ポケット六法

【楽天】
・山崎剛選手 柴田竜拓選手(横浜DeNA)から貰ったグラブ
・渡辺佑樹投手 富士山のカレンダー
・西巻賢二選手 「くまのプーさん」のぬいぐるみ

【埼玉西武】
・斉藤大将投手 ブルーベリージャム、白桃ジャム
・伊藤翔投手 チョコ大福、10円ガム

【千葉ロッテ】
・安田尚憲選手 真田神社のお守り
・山本大貴投手 「ワンピース」のジグソーパズル
・菅野剛士選手 日光二荒山神社の木札
・渡辺啓太投手 黄金のグローブ

【オリックス】
・田嶋大樹投手 「乃木坂46」と「欅坂46」のグッズ
・K-鈴木投手 宮本慎也ヘッドコーチ(東京ヤクルト)の著書
・本田仁海投手 フランスの高級スキンケアブランド3点セット、犬のぬいぐるみ
・西浦颯大選手 ピンクの豚のぬいぐるみ

【福岡ソフトバンク】
・高橋礼投手 牧田和久投手(パドレス)と渡辺俊介氏の著書

選手たちが持ち込むもので、毎年多いのがぬいぐるみである。埼玉西武の野田昇吾投手は、社会人時代に在籍していた西濃運輸のカンガルーのぬいぐるみを、オリックスの佐藤世那投手は「ダッフィー」「ミニオンズ」「ぽてうさろっぴー」などのぬいぐるみを持参したが、なぜか毎年お目見えするのが「くまのプーさん」のぬいぐるみである。

これまでも、楽天の八百坂卓丸選手、堀内謙伍選手、福岡ソフトバンクの谷川原健太選手、埼玉西武の郭俊麟投手などが「くまのプーさん」のぬいぐるみを持って入寮。楽天の今年のドラフト6位ルーキー・西巻選手も、やや汚れが目立つそのぬいぐるみを携えてきた。抱き枕として使用している選手が多いようだが、蜂蜜が好きな黄色いくまさんばかりが圧倒的な人気を誇るのはなぜなのだろうか。

また、寮生活は、今まで暮らしていた故郷から離れなくてはならないことを意味するため、地元ゆかりのものを持参する選手も多い。福岡ソフトバンクの東浜巨投手は沖縄県の出身であり、一点もののシーサーの置物を持ち込んだ。オリックスの小田裕也選手も、熊本県のゆるキャラ「くまモン」のひざ掛けを持参している。

そのほかに、選手たちがよく持ち込むのが本である。読書家である埼玉西武の菊池雄星投手は約60冊の本を持ち込んだ。現・ヤンキースの田中将大投手は、入寮時の監督である野村克也氏の著書「野村ノート」を、楽天の足立祐一選手は梨田監督の著書「近鉄バファローズ猛牛伝説の深層」を持参。趣味と実益を兼ねているのだろうが、少しでも早くチームに溶け込もうとしている姿勢がうかがえる。

中には、少し変わったものを持ち込む選手もいる。北海道日本ハムの中田翔選手は朝が苦手という理由から、目覚まし時計を4つ持ってきた。千葉ロッテの菅原祥太選手は、炊飯器(三合焚き)を持参。寮ではもちろんバランスの整った食事が用意されるが、それを平らげたうえでお腹が空いたら使うらしい。スキンケアセットを持参したオリックスのドラフト4位ルーキー・本田仁海投手、ボディクリームとリップクリームを持参した埼玉西武の源田壮亮選手など、思わぬ「女子力」を見せ付ける選手も少なくはない。

知らない土地。未知の環境。当然、不安も大きい新生活を迎えるにあたり、それぞれ自身にとって大事なもの、心の支えになるものを持ち込んでいるのだろうと思われる。グラウンドとは違って、プライベートな一面が垣間見える入寮時の持ち物。新人選手の人となりを知るには、良いきっかけとなるのかもしれない。

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