地元・沖縄のオリオンビールCMに出演する山川
「さぁ行こう!」と大きな声が夕暮れ前の南郷スタジアムに響き渡った。声の主は埼玉西武・山川穂高内野手。昨年の本塁打王にしてシーズンMVPを獲得した文句なしの主力選手だ。そんな山川に地元・沖縄のオリオンビール株式会社よりCM出演の依頼があり、2月の南郷キャンプ中にその撮影を行った。
先ほどの“セリフ”はCMディレクターの「何か掛け声などお願いできますか」の呼びかけに「普段から出しているやつでいいですか」と答えて飛び出した山川のアドリブだ。今回のCM撮影に同行したオリオンビール株式会社営業戦略部営業戦略課主任・福永哲也氏によると「以前からお話しはさせていただいており、いつかはと思っていたのですが、昨年の大活躍が大きなきっかけになり、今回オファーさせていただきました」という。
「初めてなんで、楽しかったです」と、撮影を振り返った山川。実は今回が自身にとって初のCM出演となったのだが、前日の室内撮影では「スイングをするシーンで『子供も見ているから』と、何度もカメラチェックをしていました」と福永氏が語ったように、しっかりとプロ野球選手としてのこだわりもみせていた。
同社のCMは沖縄出身者や沖縄に関わりのある人物を毎年起用しており、野球選手としては千葉ロッテ・大嶺祐太投手が当時の千葉ロッテ監督ボビー・バレンタイン氏とともに出演して以来10年ぶりのこと。山川にとっては初のCM出演が、自らの応援歌にも使用している愛着のある商品のCMとなった。
1年目に自らが出演オファー「1軍で30本打ったら」
依頼が来たことを「嬉しかった」という山川だが、実は今回のCM出演のきっかけは自らの逆オファーだったという。「1年目のスポンサーパーティの時に『1軍で30本打ったらCM出させてください!』って言ったんです。そしたら『いいですね!』ってなって」と、入団当初から相思相愛の関係に。「そこから(30本)打てていなかったんですけど、やっと」と、自らの力で5年ごしの想いを実現させた形だ。
「沖縄ではすごく流れている誰でも見るCM。僕は登場曲でも使っているので、実際に好きですし、沖縄をこういう形で盛り上げていければ嬉しいですね」
今回のCMは3月下旬、開幕前からの放送を予定。TVCMは沖縄限定となるが、自社ホームページや公式SNSなどでの配信も予定しているとのこと。今年5月21、22日には那覇セルラースタジアムでの公式戦(対福岡ソフトバンク戦)が開催される埼玉西武だが、沖縄県外からの観戦を予定しているファンの方は、試合の後、山川の初CMを沖縄のTVで堪能してはいかがだろうか。
(岩国誠 / Makoto Iwakuni)
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