「今年はそろそろそういう立場にならないといけない」
福岡ソフトバンクの2019年開幕投手に、千賀滉大投手が決まった。24日夜に工藤公康監督が宿舎の自室に千賀を呼んで通達。キャンプ最終日となった25日に工藤監督が報道陣を前に発表した。
昨季、自身初めて開幕投手を託された千賀。2年連続の大役を託されることとなり、この日「嬉しかったですし、今年はオフからそういう気持ちで取り組んできていた。さらにやらなくちゃいけないと思いました」と大役を任された喜び、そして3月29日の埼玉西武戦に向けた意気込みを語った。
大きな変化が見られた。「去年はやりたくないという気持ちがあった。投げたくない気持ちがあった」と“開幕投手”に消極的だった千賀。「今年はそろそろそういう立場にならないといけない。責任感や自覚、逃げずに、自分に言い聞かせながらやってきました」と、その胸の内を明かした。
千賀の心を変えたものは、一体何だったのか。
「和田さんが投げられなかったり、摂津さんがいなくなったり。オフにダルビッシュさんとの会話の中で刺激を受けた。こういう選手になりたいと思うようになりました。摂津さんがいなくなったところは大きいですね。チームのリーダーだったので、そういう選手になりたいと思います」
一昨季は大ベテランの和田毅が開幕投手を務めたが、左肩の故障のために昨季は1軍登板を果たせなかった。さらには2012年から5年連続で開幕投手を務めていた摂津正が昨季限りで現役を引退。チームを支えてきた投手の不在や引退が、千賀に大きく影響を与えた。オフの12月にはカブスのダルビッシュ有投手のテキサス州の自宅を訪問。そこでダルビッシュの考え方に触れたことも心境に変化を与えた。
「チームの柱で、1年間戦っていく上でそれができる人が開幕投手に選ばれると思う。今年はそういう気持ちでオフからやってきました。いい加減(しっかりと)やりたいなと思います」
「試合を壊さないように程度にしか思ってなかった」という昨季の開幕戦は7回無失点。白星はつかなかったが、チームは勝利した。今季は「最後まで投げたい。それくらいの気持ち」だという。これまでの千賀には、幾ばくかの“弱さ”が感じられたのも事実。いざ、“真”のエースへ。千賀滉大が2年連続の開幕のマウンドに立つ。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)
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