2018年の投手の打撃成績 かなり寂しい数字が並ぶ
「二刀流」の大谷翔平は例外として、投手の打撃は、ほとんど期待されていない。ただ、中には打者顔負けの成績を上げた投手もいる。2018年の投手の打撃成績を見ていこう。
チームの打撃成績
○セ・リーグ投手打撃成績
1広島 254打32安0本19点14四球 率.126
2東京ヤクルト 236打29安1本12点7四球 率.123
3阪神 237打24安2本14点12四球 率.101
4横浜DeNA 251打25安1本6点8四球 率.100
5巨人 263打25安1本12点6四球 率.095
6中日 263打24安0本6点7四球 率.091
リーグ計1504打159安5本69点54四球 率.106
投手は打率が2割を超えれば合格点と言われるが、リーグ平均は1割そこそこ。最高が広島で.126、最低が中日で.091と、チーム間でほとんど差がない。野手に比べればかなり寂しい数字が並んでいる。本塁打は全部で5本という数字になっている。
○パ・リーグ投手打撃成績
1北海道日本ハム 19打4安1本1点1四球 率.211
2千葉ロッテ 17打2安0本0点1四球 率.118
3福岡ソフトバンク 19打2安0本0点0四球 率.105
4東北楽天 18打1安0本1点2四球 率.056
5オリックス 19打1安0本0点0四球 率.053
6埼玉西武 22打0安0本0点0四球 率.000
リーグ計114打10安1本2点4四球 率.088
DH制を採用しているパ・リーグの投手打撃成績は、ほとんどが交流戦でのものだ。北海道日本ハムの打率が2割を超えているが、これは上沢直之が6月6日の交流戦、広島戦で3打数2安打したのが大きい。リーグ屈指の強力打線を誇った埼玉西武だが、投手陣は無安打という結果だった。
“首位打者”は東京ヤクルト・カラシティー “二冠王”に広島・大瀬良
○20打席以上たった投手の打率10傑
1カラシティー(ヤ) 26打7安1本5点0四球 率.269
2田口麗斗(巨) 20打4安0本1点2四球 率.200
3ウィーランド(De) 33打6安1本2点3四球 率.182
4原樹理(ヤ) 34打6安0本2点0四球 率.176
5大瀬良大地(広) 57打10安0本9点3四球 率.175
6今永昇太(De) 23打4安0本1点1四球 率.174
6藤浪晋太郎(神) 23打4安1本5点1四球 率.174
8秋山拓巳(神) 29打5安1本4点0四球 率.172
9メッセンジャー(神) 53打8安0本3点3四球 率.151
10山口俊(巨) 47打7安0本2点0四球 率.149
東京ヤクルトを退団したカラシティーが打者顔負けの好成績。しかし彼はアメリカではメジャー、マイナー通じて1打席しかたっていない(1三振)。今オフに横浜DeNAを退団したウィーランドは2017年に3本塁打。ラミレス監督が「8番投手」というオーダーを組むきっかけになった。代打にも起用されるなど、まさに「打てる投手」として君臨していた。
最多安打と打点王は広島の大瀬良大地。四球が得られにくいにもかかわらず3四球も選び、打席での貢献度も高かった。阪神の藤波晋太郎は9月16日の横浜DeNA戦で満塁本塁打を放った。投手としては1999年の巨人ガルベス以来。史上19人目だった。
昨季、巨人からカージナルスに移籍し、18勝で最多勝に輝く大活躍をみせたマイルズ・マイコラスは、打者としても63打数9安打2本塁打6打点、打率.143をマーク。投手として2本塁打はリーグ最多タイ。マイコラスは打席でも張り切っていたのだ。
セ・リーグの投手の打撃については「この程度しか打てないのなら、DH制を導入すべきではないか」という声が毎年のように上がっている。打席に立てば投手も打者。意欲をもってバットを振ってほしいものだ。
(広尾晃 / Koh Hiroo)
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