パ・リーグの1位は東北楽天藤田、セ・リーグは横浜DeNA宮崎
2018年のNPBの記録から、選手の特色を示すいろいろなデータを紹介していこう。まずは「三振が少ない打者」。100打席以上の打者の、打席数に占める三振数。
○パ・リーグ10傑
1藤田一也(楽)5.19%(289打席15三振)
2荻野貴司(ロ)7.12%(351打席25三振)
3銀次(楽)8.51%(552打席47三振)
4福田周平(オ)9.56%(345打席33三振)
5鈴木大地(ロ)9.86%(558打席55三振)
6島内宏明(楽)9.93%(453打席45三振)
7松本剛(日)10.07%(139打席14三振)
8内川聖一(ソ)10.81%(296打席32三振)
9田中賢介(日)11.29%(124打席14三振)
10中村晃(ソ)11.72%(580打席68三振)
パ・リーグで最も三振しなかった打者は東北楽天の藤田一也。20打席に1回程度しか三振しなかった。藤田は守備の名手だが、打者としては「つなぐ打者」だ。三振をしては走者を送ることができない。2位は俊足外野手の千葉ロッテ荻野貴司、3位は首位打者もとったシュアな打者銀次。上位10傑には本塁打者はいない。
○パのワースト5
92石井一成(日)28.83%(163打席47三振)
93西田哲朗(ソ)32.74%(113打席37三振)
94清宮幸太郎(日)33.33%(180打席60三振)
95内田靖人(楽)34.20%(193打席66三振)
96ペゲーロ(楽)34.48%(348打席120三振)
最も三振しやすい打者はペゲーロ。振り回していたことがわかる。清宮もいる。本塁打を狙うだけに三振も多くなるが、3打席に1回以上三振はやはり多い。もう少し確実性が求められるだろう。
○セ・リーグ 10傑
1宮崎敏郎(De)7.63%(590打席45三振)
2青木宣親(ヤ)8.47%(567打席48三振)
3中村悠平(ヤ)9.73%(401打席39三振)
4坂口智隆(ヤ)10.08%(595打席60三振)
5亀澤恭平(中)10.19%(206打席21三振)
6松山竜平(広)10.31%(446打席46三振)
7ビシエド(中)10.48%(582打席61三振)
8川端慎吾(ヤ)11.08%(334打席37三振)
9糸原健斗(神)11.46%(637打席73三振)
10北條史也(神)12.03%(266打席32三振)
横浜DeNA宮崎が1位、2位に東京ヤクルト青木。ともに首位打者を獲得したことのあるアベレージヒッターが並んだ。ボールを捉える技術が高く、空振りが少ない打者だ。昨年の首位打者ビシエドも7位にいる。3位には東京ヤクルトの正捕手中村、4位は昨年大活躍だった坂口と、上位はシュアな打者が揃った。
○ワースト5
72陽川尚将(神)25.41%(299打席76三振)
73陽岱鋼(巨)26.09%(276打席72三振)
74中谷将大(神)26.42%(246打席65三振)
75バティスタ(広)26.82%(302打席81三振)
76廣岡大志(ヤ)28.80%(125打席36三振)
東京ヤクルト廣岡は、巨人岡本の高校時代の1年後輩。打撃センスの良さが評価され、昨年出場機会が増えたが、長打を狙うためか三振数が多かった。広島のバティスタは昨年25本塁打と活躍したが、その代償として三振も多かった。
ざっくり言えば、安打を狙う打者は三振が少なく、本塁打を狙う打者は三振が多いということになるが、1977年の巨人、王貞治は50本塁打で本塁打王になったが、打席に占める三振数はわずか6.5%だった。やはり三振が多すぎる打者は確実性に乏しいと言えるのではないか。
(広尾晃 / Koh Hiroo)
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