米メディア「リンガー」が特集、開幕前は「この上なくがっかり」
今季、ア・リーグ新人王に輝いたエンゼルスの大谷翔平投手。ベーブ・ルース以来の二刀流としてMLBに旋風を巻き起こし、投手として10試合に登板して4勝2敗、防御率3.31、打者としては104試合で打率.285、22本塁打61打点の成績をマークした。
MLB全体に二刀流を“推奨”する風も起き、大谷の存在が球界全体に一石を投じる形となった。米メディア「リンガー」も「ショウヘイ・オオタニという存在により見直される、スポーツに対する考え方」と題した特集を展開し、大谷が与えた影響について考察している。
スプリングトレーニングでは結果を残せずに、苦しんだ大谷。同メディアも当時を振り返り「オオタニはメジャーレベルにあるのか疑問視する記事ばかりが書かれていた。我々野球を見る人間からすると、ベーブ・ルース以来の二刀流を目指すオオタニが、メジャーでどのような活躍をするのかということが、はっきりと理解できていなかった」と指摘。「彼の期待値に対しての活躍ぶりを見てみると、この上なくがっかりするものだった」とした。
だが、この開幕前の酷評を跳ね返すように、大谷は活躍した。打撃フォームを“すり足”に変更し、快音を連発。右肘の故障で投手としては10試合の登板に終わったものの、離脱するまでに160キロの真っ直ぐとスプリットで奪三振を量産し、衝撃を与えた。投手として復帰した直後に再び右肘の靭帯損傷が発覚し落胆させたものの、その後も打者として活躍。「けれども、この新人はハイライトを飾り続けた。彼はア・リーグ新人王の妥当な選択肢となった」としている。
現在、球界では様々なデータが集められ、成績の予測や選手の比較がなされ、過去の結果や成績から、選手の今後の活躍も予測できるようになっていると、記事では言及。その中で、大谷翔平は「こうした分析の仕組みを打ち破る存在である」と指摘している。
「オオタニに関する適切な表現は“特別な存在”だ。彼は2つの異なるスキルを一つに融合してしまうのである」と、投手と打者双方で活躍した大谷の働きを称賛。そして「より多くの二刀流に挑戦する選手たちの道を切り開いた」としている。
来季はホワイトソックスからFAとなっているマット・デビッドソンや、エンゼルスからマリナーズへ移籍したケイレブ・コワートが二刀流に挑戦するとも言われているが、同メディアでは「彼らは誰も、投打のどちらにおいても、オオタニに匹敵することはできない。ましてや、両方ということはあり得ない」とした。
「心配なことは、オオタニがメジャーで二刀流をするために十分な打撃力を発揮できない可能性があると言うことではない。心配なのは、オオタニが2019年に非常に優秀な打撃をする可能性があると言うことにより、エンゼルスが彼の二刀流のキャリアに疑問を投げかけてしまうことににつながる可能性があるということだ」
打者専念となる来季の大谷の活躍でエンゼルスが打者専念を決めてしまうことを懸念した「リンガー」。「オオタニが最も価値を生み出せる起用法は、彼の最も“人々を楽しませる”起用法とうまく噛み合わないのかもしれない。本塁打を放ち、三振を奪うという、そのどちらの能力もオオタニに発揮してもらいたいと、我々は思っている」と指摘している。
(Full-Count編集部)
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