2位の森は5年連続50試合登板、上林も外野手のレギュラーに
残りあとわずかとなった2018年。“平成最後のシーズン”となった今季は、埼玉西武は10年ぶりにパ・リーグを制し、広島は3年連続でセ・リーグ優勝を勝ち取った。そして、日本一に輝いたのは、パ・リーグ2位からポストシーズンを勝ち上がった福岡ソフトバンク。2年連続で栄冠を手にし、シーズンは幕を閉じた。
オフに入り、各球団は来季の戦力編成に着手。ドラフトで指名された期待のルーキーたちの入団も正式に決まり、お披露目の場となる新入団選手発表も続々と行われた。今秋のドラフトでは中日に入団した根尾昂内野手や千葉ロッテの藤原恭大外野手、広島の小園海斗内野手、北海道日本ハムの吉田輝星投手、埼玉西武の松本航投手、福岡ソフトバンクの甲斐野央投手らが注目を集めた。今後、彼らがどういった活躍を見せるかは、新たな時代となる来季の注目である。
とはいえ、その年々のドラフトの成果というものは、指名から5年、10年経ってからでないと分からないもの。そこでここでは、各球団のドラフトを遡り、指名から4年が経った2014年から2008年の間の“ベスト”と“ワースト”ドラフトを独自で選出した。
第1回は2年連続で日本一になった福岡ソフトバンクだ。まず“ベスト”ドラフトは2013年。
2013年は2位の森は入団から5年連続50試合登板を果たし、今季はサファテの代役として守護神も任された。37セーブを挙げて初のセーブ王のタイトルも獲得した。4位の上林は多士済々の福岡ソフトバンク外野陣にあって、右翼手のレギュラーを確固たるものにした。今季はキャリアハイの成績を残し、守備面でも大きくチームに貢献した。
“外れ外れ”1位の加治屋も昨季までは奮わなかったものの、今季覚醒。セットアッパーとして72試合に登板。3位の岡本も今季23試合に登板しており、指名された4選手全員が1軍で戦力になっている。さらに育成1巡目では今季13勝をマークした石川も入団しており、こちらも稀に見る“当たり年”といえるだろう。
2010年も球界を代表する打者となった柳田が入団。育成でも4巡目から千賀滉大、牧原大成、甲斐拓也の3人が入団し、1軍の戦力として成長を遂げた。柳田、千賀、甲斐の3人は侍ジャパンのメンバーにも選出し、タイトルも獲得。一度のドラフトで、これほどまでに球界を代表する選手が出てくるのも稀有な例といえるが、支配下でチームに残るのは柳田ただ1人。支配下指名の全員が戦力となっている2013年を“ベスト”とした。
摂津正(2008年)、今宮健太(2009年)、武田翔太(2011年)、東浜巨(2012年)と、毎年1人ずつは1軍の主力となる選手を輩出できている福岡ソフトバンク。目立って“失敗”と言う年がないのが、近年、常勝軍団となったチームの礎となっているのだろう。
その中で敢えて“ワースト”を挙げると2008年か。5位で指名した摂津正が即戦力として輝かしい成績を残したものの、ドラフト1位の巽は結果を残せないままに戦力外に。立岡は巨人に移籍。3位の近田も1軍出場がないまま、2012年に戦力外となった。
“ベスト”ドラフト
【2013】
× 松井裕樹投手
× 杉浦稔大投手
1 加治屋蓮投手
2018:72試合4勝3敗0セーブ31ホールド 3.38
通算:76試合4勝3敗0セーブ31ホールド 3.82
2 森唯斗投手
2018:66試合2勝4敗37セーブ6ホールド 2.79
通算:299試合17勝13敗39セーブ89ホールド 2.94
3 岡本健投手
2018:23試合1勝0敗0セーブ0ホールド 3.05
通算:50試合2勝0敗0セーブ1ホールド 3.42
4 上林誠知外野手
2018:143試合551打数149安打22本塁打62打点 .270
通算:306試合1029打数275安打37本塁打120打点 .267
育1 石川柊太投手
2018:42試合13勝6敗0セーブ6ホールド 3.60
通算:76試合21勝9敗0セーブ6ホールド 3.47
育2 東方伸友投手(2017戦力外)
通算:1軍登板なし
育3 曽根海成内野手(→広島)
2018:11試合18打数5安打0本塁打2打点 .278
通算:13試合21打数5安打0本塁打2打点 .238
育4 張本優大捕手
2018:1軍出場なし
通算:1軍出場なし
“ワースト”ドラフト
【2008】
1 巽真悟投手(2016戦力外)
通算:24試合1勝4敗0セーブ0ホールド 7.50
2 立岡宗一郎外野手(→巨人)
2018:42試合52打数12安打0本塁打5打点 .231
通算:295試合852打数214安打2本塁打45打点 .251
3 近田怜王投手(2012戦力外)
通算:1軍登板なし
4 有馬翔投手(2013戦力外→東北楽天、2014年戦力外)
通算:3試合0勝0敗0セーブ0ホールド 7.50
5 摂津正投手(2018戦力外)
2018年:7試合2勝4敗0セーブ0ホールド 5.16
通算:282試合79勝49敗1セーブ73ホールド 2.98
6 金無英投手(2015戦力外→東北楽天、2016戦力外)
通算:89試合2勝2敗0セーブ6ホールド 4.50
7 鈴木駿也投手(2014戦力外)
通算:1軍出場なし
育1 内田好治投手(2011戦力外)
通算:1軍出場なし
育2 二保旭投手
2018:35試合1勝0敗1セーブ4ホールド 5.34
通算:87試合7勝1敗1セーブ9ホールド 4.04
育3 柳川洋平投手(2012戦力外)
通算:8試合0勝0敗0セーブ0ホールド 1.29
育4 猪本健太郎捕手(2016戦力外→千葉ロッテ、2017戦力外)
通算:16試合25打数3安打0本塁打2打点 .120
育5 堂上隼人捕手(2012途中契約解除)
通算:8試合8打数2安打0本塁打0打点 .250
(Full-Count編集部)
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