今季も、多くのラテン系の選手が日本球界に在籍し、チームの主力として躍動した。特にパ・リーグのAクラスを見ると、ラテン系の選手の活躍がめざましい。今回は、10月14日から始まる「2017 ローソンチケット クライマックスシリーズ パ」に出場する可能性が高いラテン系の選手たちを、改めて紹介しておきたい。
【楽天】
・ペゲーロ選手(ドミニカ共和国)
今季成績:120試合463打数130安打26本塁打75打点 打率.281
昨年7月に来日して楽天の一員となったペゲーロ選手は、51試合の出場ながら打率.279、10本塁打という活躍で存在感を発揮。今季は開幕から「恐怖の2番打者」として対戦相手の脅威となり、シーズン中盤まで首位を快走したチームの象徴的な存在となった。
故障から復帰した後は、チーム事情に応じて中軸を任せられる機会も増えたが、全力疾走で内野安打をもぎ取る意識の高さは健在。自身の調子も決して万全ではなかったが、チームが大不振に陥った8月も、月間打率.276をマークして気を吐いた。チームは未だにその不調から完全には脱け出せていない。クライマックスシリーズの行方を占うにあたり、ペゲーロ選手の状態の良し悪しが鍵を握ると言っても過言ではないだろう。
・ジャフェット・アマダー選手(メキシコ)
今季成績:121試合417打数99安打23本塁打65打点 打率.237
日本球界最重量となる135キロという巨体を誇るアマダー選手。来日初年度の昨年は故障に悩まされて39試合の出場に終わるも、138打席で9本塁打を放つ活躍で、期待に違わぬ長打力を見せ付けた。
今季序盤は不振に苦しんだが、7月に入ってからは持ち前のパワーを徐々に発揮。7月から9月の3カ月だけで16本のアーチを描き、幾度となくチームの勝利に貢献した。自身初となる日本球界のポストシーズンでも、チームを勝利に導く豪打を披露してくれるだろうか。
【埼玉西武】
・メヒア選手(ベネズエラ)
今季成績:113試合345打数83安打19本塁打53打点 打率.241
2014年のシーズン途中に埼玉西武の一員となったメヒア選手は、34本塁打を放ってチームメイトの中村選手とともに本塁打王のタイトルを獲得。シーズン途中入団の選手が本塁打王のタイトルを獲得したのは、日本プロ野球史上初の快挙だった。
今季の5月4日には日本球界通算100号となる節目のアーチを描いたが、来日後初となる登録抹消と、20本塁打の大台を下回る19本塁打に終わってしまう苦しいシーズンに。それでも代打でその名が告げられれば、球場のファンが湧く。切り札としての起用が見込まれるクライマックスシリーズで、その豪砲復活に期待したいところだ。
【福岡ソフトバンク】
・デスパイネ選手(キューバ)
今季成績:136試合478打数125安打35本塁打103打点 打率.262
キューバリーグのシーズン最多本塁打記録を持ち、キューバの代表チームでも4番を張るデスパイネ選手。2014年7月に千葉ロッテに入団すると、わずか45試合で12本塁打33打点を記録する活躍を見せ、以降2シーズンにわたりチームのAクラス入りに貢献した。
千葉から福岡に活躍の場を移した今季は、さらに凄みを増した打棒を披露し、35本塁打・103打点はいずれもリーグトップ。クライマックスシリーズでは、当然ながら徹底マークが予想されるが、キューバ時代から大舞台は数多く経験した。キャリアハイのシーズンを笑顔で締めくくるためにも、キューバの至宝の大爆発に期待しないわけにはいかない。
・モイネロ選手(キューバ)
今季成績:34試合4勝3敗15ホールド1セーブ 35回2/3 36奪三振 防御率2.52
母国で圧倒的な実績を積み上げてきた同郷の大先輩・デスパイネ選手とは異なり、育成選手という立場で今年5月に福岡ソフトバンクへ入団したモイネロ投手。しかし代表にも選出されたその実力は本物だった。
ファームで結果を残して6月に早くも支配下登録を勝ち取ると、その後はチームの強力な中継ぎ陣の一角に収まり大活躍。離脱者の続出と蓄積疲労に苦しむブルペンを救い、チームのリーグ制覇に大きく貢献した。
12月に22歳を迎える若き左腕にとって、ポストシーズンの独特な緊張感は得難い経験となる。シーズン同様、重要な局面を任されるだろうクライマックスシリーズで、キューバのシンデレラボーイがどんな投球を見せてくれるのか、要注目だ。
以上の通り、モイネロ投手を除く全てのラテン系の選手が本塁打を期待される長距離砲となっている。一度波に乗ると止まらない傾向は短期決戦において大きなファクターとなるかもしれない。果たしてこの中から、「お祭り男」が現れるだろうか。ポストシーズンには付きものであるラッキーボーイの誕生に、今から期待したいところだ。
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