阪神の矢野2軍監督は来季1軍監督へ
2018年のウエスタン・リーグを振り返ろう。阪神が、2010年以来のリーグ優勝。福岡ソフトバンクが2.5差の2位。この2チームが2強で他の3チームは負け越した。
ウエスタン・リーグ、ペナントレースの結果
1阪神 115試68勝40敗7分 率.630
2福岡ソフトバンク 115試66勝43敗6分 率.606 差2.5
3オリックス 115試45勝57敗13分 率.441 差20
4広島 109試43勝55敗11分 率.439 差20
5中日 117試39勝64敗14分 率.379 差26.5
阪神は2017年最下位だったが、2018年は優勝。今年ファームを率いていた矢野耀大監督が、来季1軍監督になる。
○過去5年の優勝チーム
2014年福岡ソフトバンク 108試68勝37敗3分 率.648
2015年福岡ソフトバンク 110試66勝35敗9分 率.653
2016年福岡ソフトバンク 120試72勝42敗6分 率.632
2017年広島 115試57勝49敗9分 率.538
2018年阪神 115試68勝40敗7分 率.630
福岡ソフトバンクは2012年から5連覇していたが、2017年に4位に転落。しかし今季は2位ながら.606と復活。ウエスタンでは福岡ソフトバンクが常勝チームになっている。ファームで活躍した選手が1軍に供給されるという循環ができていた。
○打撃10傑
1メヒア(広) 76試270打91安20本59点1盗 率.337
2川瀬晃(ソ) 92試286打84安0本32点6盗 率.294
3板山祐太郎(神) 94試349打98安5本36点14盗 率.2808
4釜元豪(ソ) 90試285打80安8本42点16盗 率.2807
5溝脇隼人(中) 90試319打88安1本16点5盗 率.276
6高橋大樹(広) 98試360打98安10本35点3盗 率.272
7桑原樹(広) 102試360打91安2本26点15盗 率.253
8島田海吏(神) 101試308打73安0本26点26盗 率.237
9遠藤一星(中) 87試292打69安2本24点11盗 率.236
10庄司隼人(広) 81試276打63安2本18点5盗 率.228
広島のメヒアが本塁打、打点、打率の3冠王。カープアカデミー出身のメヒアは、2軍では圧倒的な存在だ。エルドレッドが退団した広島だが、来季は同じアカデミー出身のバティスタとともに大いに期待がかかるところだ。盗塁王は福岡ソフトバンクの周東佑京(27盗塁)だった。
○投手成績 規定投球回数以上は阪神の福永春吾とオリックス山崎颯一郎の2人だけだったので、70イニング以上に広げた。
1大野雄大(中) 14登4勝4敗 77回 率2.10
2福井優也(広) 17登2勝6敗 72.2回 率2.23
3攝津正(ソ) 13登4勝1敗 72回 率2.25
4薮田和樹(広) 16登7勝0敗 70.2回 率2.55
5谷川昌希(神) 22登7勝1敗 79回 率2.62
6K-鈴木(オ) 26登3勝4敗 88.1回 率2.85
7松葉貴大(オ) 16登3勝8敗 81.2回 率3.31
8笠原大芽(ソ) 33登3勝4敗 71回 率3.68
9福永春吾(神) 20登7勝2敗 92.1回 率3.80
10山崎颯一郎(オ) 20登5勝7敗 100.1回 率4.66
中日大野、広島福井(東北楽天に移籍)、福岡ソフトバンク攝津(戦力外)、広島薮田と、1軍で実績のある投手が上位に並ぶ。最多勝は福岡ソフトバンク大竹耕太郎と阪神の青柳晃洋の8勝。最多奪三振は、広島、高橋昂也の80だ。
○セーブ数5傑
1伊藤和雄(神) 36登1勝2敗 20SV 35.2回 率1.26
2岸田護(オ) 24登2勝0敗 12SV 25.1回 率0.00
3寺原隼人(ソ) 23登0勝1敗 7SV 24.1回 率1.48
4佐藤達也(オ) 33登1勝1敗 6SV 30.1回 率2.64
5モレノ(神) 22登0勝2敗 6SV 29回 率7.29
セーブ王は阪神の伊藤だが、以下、オリックス岸田、福岡ソフトバンク寺原(東京ヤクルト移籍)、オリックス佐藤(引退)とこちらも1軍で活躍した救援投手が並ぶ。
ファームでは、若手有望選手はすぐに昇格するので、2軍で数字が残らない場合も多い。ベテランが上位に来ることはあるが、それにしてもフレッシュな投手が出てきていない印象がある。ウエスタン・リーグはやや投手が人材不足と言えるかもしれない。今季ドラフトで入団した選手から、誰が台頭するだろうか?
(広尾晃 / Koh Hiroo)
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