
プロ野球の発展に貢献した監督、選手に贈られる「第50回正力松太郎賞」の選考委員会が4日、都内で行われ、ソフトバンクを2年連続の日本一に導いた小久保裕紀監督(55)が史上3人目となる2年連続での受賞となった。賞金500万円とメダルが贈呈される。
最強チームを率いたソフトバンク・小久保監督に今年も吉報が届いた。「昨年に続き、名誉ある正力松太郎賞を受賞させていただくことを大変光栄に思います。チームを代表して、すべての関係者、そしてファンの皆さまに心から感謝申し上げます」と球団広報を通じてコメントした。
就任3年目の今季は球団が福岡移転後、初となるリーグ3連覇を達成。91勝49敗3分けで、2位・西武に11・5ゲーム差をつける独走だった。ポストシーズンでもCS最終ステージで日本ハムを3連勝で下すと、日本シリーズでは2年前に苦杯をなめさせられたDeNAを4連勝でスイープした。
決して順風満帆な船出ではなかった。昨季の最多勝の有原が日本ハムに移籍し、エースのモイネロもコンディションが整わず8月まで登板がなかった。それでも5月以降、正木を1番に据えた打線が猛威をふるい、12球団最多44度の逆転勝ち。シーズン終盤に遊撃のレギュラーに定着した2年目の庄子、12勝を挙げた21歳の前田悠ら若い力も育てた。
秋季キャンプは2年連続で行わず、指揮官は家族との時間を大切にしている。「球団自体(の目標)が目指せ世界一。だから常にリーグ優勝、連続日本一連覇という目標設定をせざるを得ない。それを積み重ねることによって、10年後、15年後に本当にそういう舞台があったときに『日本の野球といえばホークスでしょ』と持って行くため」と、つかの間のオフに入る前には強い使命感を口にした。来季に挑戦する球団初の4連覇でさえ、まだ通過点にすぎない。(島尾 浩一郎)
◆小久保 裕紀(こくぼ・ひろき)1971年10月8日、和歌山市生まれ。55歳。星林から青学大を経て93年ドラフト2位(逆指名)でダイエー(現ソフトバンク)入団。95年本塁打王、97年打点王。03年オフに巨人へトレード移籍。07年からFAで古巣復帰。12年限りで現役引退。通算2057試合で2041安打、打率2割7分3厘、413本塁打、1304打点。13~17年は侍ジャパンの監督。21年にソフトバンクの1軍ヘッドコーチ、22、23年の2軍監督を経て、24年から1軍監督。右投右打。
◆3冠王佐藤輝明と争うも指揮官の手腕に高評価 6年ぶり「特別賞」なし…選考経過
小久保監督とセ・リーグ3冠王の阪神・佐藤との争いとなった選考は、「日本シリーズで3戦連続延長戦を制した」(山本浩二座長)、「日本シリーズ第4戦で、5回2死で先発の前田悠を代えた非情さと、優勝インタビューで(1、2戦で被弾した)松本裕への声援に感謝した優しさを兼ね備えている」(門田隆将委員)など、小久保監督の手腕を高く評価する声が多く、満場一致で受賞が決まった。
佐藤については「特別賞」も見送られた。特別賞受賞者なしは6年ぶり。門田委員は「過去に3冠王を獲得した落合、ブーマー、バース、松中もとっていない」と説明。22年にはセ・リーグ3冠王のヤクルト・村上が受賞しているが、山本座長は「村上はホームランの記録(日本人最多の56本)があった」と、内容の違いを挙げた。選考委の座長・王貞治ソフトバンク球団会長が体調不良で欠席したため、山本氏が座長を務めた。