城島健司CBOが語るソフトバンク3連覇の舞台裏 小久保裕紀監督は「困った時に使える『ドラえもんのポケット』みたいなものを、持っておきたいのかも」単独インタビュー後編

スポーツ報知

優勝し記念撮影で整列する(左から)小久保裕紀監督、孫正義オーナー。城島健司CBO(カメラ・岩田 大補)

 リーグ3連覇を達成したソフトバンク・城島健司チーフベースボールオフィサー(CBO、50)が、スポーツ報知の単独インタビューに応じた。後編は、現役時代から熟知し、就任3年目を迎えた小久保裕紀監督(54)について語った。(取材・構成=島尾 浩一郎)

 ―小久保監督に就任3年目の変化は感じたか?

 「常に最悪を想定して、苦しい状況でもドシッとしていました。143試合を見据え、本当にバタバタしません。2年続けて勝った監督の背中は、どんどん大きくなりました。もちろん僕らフロントもそうですけど、選手、コーチ、スタッフも監督の器の大きさが頼もしかったでしょう」

 ―先発ローテーションや打線の並びなど、V2までと全く違うチームになった。

 「有原が移籍し、大黒柱のモイネロが8月まで1回も投げませんでした。野手も山川の調子が悪く、2軍調整が続きました。その状況で勝ち続けなければいけませんでした。だからこそ、4軍制を敷いている意味もあったと思います。投手では前田、野手では正木のブレイクに目がいきますけど、育成から支配下登録した藤原、アルメンタ、北斗も先発しました。勝ちながら新しい選手を使い、1軍の試合を経験させたことは今後の大きな財産となります。そこは本当に、監督の力に感謝しています」

 ―ベンチワークにも余裕があった。

 「1年目は何もしないまま、ぶっちぎりました。でも去年はケガ人が続出の中でやりくりし、5月には伴さん(元裕・メンタルパフォーマンスコーチ)や長谷川(勇也・当時はスキルコーチ、現打撃コーチ)をベンチに入れ、勝ち始めました。3連覇のかかる今年は、開幕から伴さんをベンチに入れていません。投入するタイミングはあったと思いますが『水戸黄門の印籠』は最後まで持っておくということです。現場のコーチも、伴さんのような『声かけのスキルを持つように』という監督のメッセージでもあったと思います」

 ―普通は成功したことは変えたくないはずだが。

 「そこがまさに、小久保監督の器というか、余裕です。ポケットの中に何も残っていないのは嫌で、全部は出したくありません。プレーヤーとしては準備をしっかりして、やれることをすべてやって、ダメなら仕方がないというタイプでした。監督としては、困ったときに使える『ドラえもんのポケット』みたいなものを、持っておきたいのかもしれないですね」

 ―球団として巨人のV9超えが目標になる?

 「巨人の9連覇は本当にすごいです。よその球団は何をしていたんだ、と思うぐらいです。来年以降も勝ち続けるチームをつくらなければいけない中で、勝てないシーズンも僕は来ると思っています。今の主力の力も落ちてきますから。やっぱり勝負事の確率で言えば、6分の1。その時に備え、ビジョンはしっかり持っておきたいです。日本シリーズの短期決戦で勝ち続けるのは難しいですが、改めてリーグ10連覇には挑みたいと思います」

 ◆城島 健司(じょうじま・けんじ)1976年6月8日、長崎県生まれ。50歳。別府大付(現・明豊)から94年ドラフト1位でダイエー(現ソフトバンク)入り。2003年パ・リーグMVPなど3度のリーグV、2度の日本一に貢献。06年、日本人初のメジャー捕手としてマリナーズへFA移籍。09年オフ、阪神入り。日本代表では04年アテネ五輪銅メダル、09年WBC優勝。12年限りで現役引退。日米通算1785試合出場、打率2割8分9厘、292本塁打、1006打点。右投右打。20年からソフトバンクの会長付特別アドバイザー、25年1月、CBO就任。

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