「プレッシャーを持つ勇気を胸に」 台湾球界のスター・王柏融選手が日本での意気込みを語る

パ・リーグ インサイト

2018.12.19(水) 22:00

北海道日本ハムのユニフォームに袖を通した王選手【撮影:駒田英】
北海道日本ハムのユニフォームに袖を通した王選手【撮影:駒田英】

 12月19日、Lamigoモンキーズから北海道日本ハムへ入団する王柏融選手が、台湾・台北市で入団会見を行った。栗山監督から手渡された背番号「99」のユニフォームに身を包んで語った、新天地での抱負は以下の通り。

(王選手)来賓の皆様、監督コーチ、そしてメディアの先輩記者の皆さん、本日はご来場頂きありがとうございます。これまで長きに渡って屏東出身の野球少年に関心をもっていただき、ありがとうございます。私はとても幸運な選手です。穀保家商、文化大学で指導を受け、確かな基礎を固めたのち、キャリアの初期に台湾プロ野球の整った環境で練習、経験をつみ、またLamigoモンキーズでお世話になり、重用されたことで、能力、経験を高めることができ、さらに高いステージに挑戦することができました。

 また、北海道日本ハムファイターズの皆様には、私のことを高く評価して頂いたこと、このようなハイレベルの待遇で迎えて頂き、2016年に日本一に輝いたファミリーの一員になれることに感謝します。より良い成績を挙げられるよう、チームの為に全力で戦います。成功への為のいかなる変化も、その証明の為には時間がかかります。私は台湾野球の精神、最後まで戦いぬく精神を堅持し、プレッシャーを抱えながら、少しずつ高みを追い求めていきたいと思います。

‐自身の活躍について、どのように期待していますか。

(王選手)ファイターズ入団一年目ということで、わからない点がたくさんありますが、そうした中でコンスタントに出場していかなければなりません。身体の健康を維持し、チームのためにいいパフォーマンスを発揮したいと思います。

‐王選手は台湾球界で三冠王を獲得した経験もお持ちだが、日本球界で目指してみたいタイトルは。

(王選手)日本でどんなタイトルが欲しいかという点ですが、台湾の時と同様、最も重要なのは健康を保つことです。そして、試合にコンスタントに出場し続けてはじめて、こうしたタイトルに挑戦できるからです。これが自分の目標です。

‐北海道日本ハムの吉村GMが語っていたように、イチロー選手や呂明賜選手のようなインパクトのある1年目にしたいと考えているか。

(王選手)こうした有名な偉大な先輩たちと私が比較して語られることは非常に光栄なことです。機会があれば、私もこうした選手のようになりたいと思います。

‐数多くの日本プロ野球の選手が、素晴らしい成績を挙げた後にMLBへ移籍しています。王柏融選手は、大谷翔平選手のように、何歳でMLBに移籍し、何歳でワールドシリーズを制覇し、何歳で子供を授かりたい、などという人生設計はありますか。

(王選手)そうした質問は、自分のような人間にとっては…。自分は一歩進んだら、はたと考え、様子を伺うというタイプなので、そうしたことは自然の成り行きにまかせるという感じです。まずは、グラウンド上の自分の仕事をしっかりこなし、将来、さらにより良い機会があったら、その時にまたベストを尽くすという感じです。(司会者から「結婚、子供は」と問われ)それは答えにくいですね(苦笑)

‐日本に行くにあたって、どのような調整を行っていますか。例えば、日本プロ野球の試合をより多く見たりしていますか。

(王選手)シーズン中はずっと日本プロ野球の試合を見ています。日本でプレーしている台湾の選手の試合、そしてテレビ中継も見ます。日本に行くにあたっての準備ですが、自分の欠点をしっかり克服し、優れた点をより強化する、ということです。

‐王選手はかつて則本投手(東北楽天)からホームランを放ちましたが、日本でホームランを打った時、どのようなスタイルで喜びを表したいと思っていますか。

(王選手)やはり、今の台湾のスタイルでいきたいと思います。ホームランを打ったとしても、4つのベースを静かに周るだけで余計なアクションはしません。そういうのは、自分のスタイルではないですから。

‐現在「大王」と呼ばれていますが、日本ではどんな「ニックネーム」をつけてもらいたいですか。

(王選手)「ニックネーム」については、これは球団の皆さんに決めていただくことで、自分で決められるものでありません。自分がすべきことは、グラウンド上でいいプレーをすることです。(司会者から、「栗山監督がお話になっていた『ボーロン』と、『ロンロン』とどっちがいいかと問われ)どっちでもいいです。ロンロンは(ラミゴのチームメイト)、藍寅倫が自分を呼ぶ呼び方です(笑)

‐背番号は何番か。その番号に対する王選手とファイターズ側それぞれの思い、感想は。

(王選手)(台湾で使っている)9番は、既に使っていらっしゃる選手がいますし、また、99番の番号を見た時、自分の誕生日はちょうど9月9日なので、ぴったりだと思いました。

(栗山監督)もちろん、9番がボーロン選手にとってとても大切な番号であること、9月9日が誕生日であることについて理解はしていました。それがさらに大きく開いていくために9を2つ並べさせてもらったのと、我々野球人にとって「ナイン」は仲間になるという意味で非常に重要な言葉だったので、それを2つ並べることを提案させてもらったという形です。

‐今年2月にLamigoの選手として北海道での交流戦に参加しましたが、札幌ドームの印象はいかがでしたか。また、公式戦の際、球場の特徴をどのように利用して好成績を挙げたいと思っていますか。

(王選手)交流戦の時に抱いていた気持ちは、「学習する」、「雰囲気を味わう」というものでした。今、ファイターズでプレーすることになりましたが、プレーする場所が変わるだけと考えています。スタイルは変わらず、熱い気持ちをもって、試合を楽しむ、ということです。

‐日本でどの投手と対戦したいですか。

(王選手)日本プロ野球でプレーしている投手は皆、一定の実力をもっていると思うので、全ての投手との対決を期待しています。

‐王選手は、海外移籍制度を利用して日本プロ野球に移籍する初めての選手です。劉GMも先程、球団にとって重要な指標的な意味合いを持つとおっしゃっていましたが、ご本人はどのように考えていますか。

(王選手)自分がこの制度を使って海外に移籍する最初の選手ということで、台湾、日本の多くのファンが自分に注目しています。私が自分の実力をできる限り発揮することで、今後、後輩たちや台湾の選手たちが、日本行きの機会をより多くつかめるようにしたいと思います。

(取材・翻訳協力:駒田英)

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