「アキレス腱が限界」だった…MVPのソフトバンク山川穂高、故障離脱ゼロの裏で苦闘「自主トレやキャンプを反省しないと」

スポーツ報知

2025.10.31(金) 05:20

MVPに選ばれてインタビューに答える山川穂高(カメラ・上村 尚平)

◆SMBC日本シリーズ2025第5戦 阪神2―3ソフトバンク=延長11回=(30日・甲子園)

 「SMBC日本シリーズ2025」は甲子園で第5戦が行われ、ソフトバンクが5年ぶり12度目の日本一に輝いた。3―2で逆転勝利し、第1戦の黒星から4連勝。8回に柳田悠岐外野手(37)の2ランで同点に追いつくと、延長11回には野村勇内野手(28)が勝ち越しソロを放った。就任2年目の小久保裕紀監督(54)はDeNAに敗れた昨年の日本シリーズ(S)のリベンジに成功した。阪神は、柳田に被弾した石井大智投手(28)が4月4日の巨人戦(東京D)以来、公式戦57試合ぶりに失点。2年ぶりの日本一を逃した。

 完全復活の山川が堂々のMVPに輝いた。「緊張感ある試合が続いて、ドキドキしながら試合をしていました」。この日も終盤に1安打2出塁と貢献し、5試合で打率3割8分5厘、7打点。第2戦から日本S最長タイ、史上6人目の3戦連続本塁打で主役を奪った。

 今季は不振で、不動の4番の座を失った大砲。「いい状態で入れた」と悩み続けたスイングに、ついに納得した。好調の要因は秘密にして戦った日本S。「長いシーズン中は、いつまでも話さないのもいけない」と普段は報道陣に丁寧に解説するナイスガイも、口を閉じた。長期戦では打撃も変化していくが、短期決戦は一発勝負。「相手もあること。教える必要はない」。激闘を終えた2時間後に「右のかかとの骨を意識した」と重心のかけ方に秘密があったことを明かしたが、隙を見せることはなかった。

 主力野手で唯一、故障離脱がなかった男も「アキレス腱が限界」だ。シーズン前半から隠したまま戦ってきたが、練習やウォーミングアップの質や量に影響。何よりも大切な準備が不足した。「でも、その前の準備。自主トレやキャンプを反省しないといけないです」。春季キャンプでは調整を一任された「S組」で誰よりも走り、ノックを受けたが「それでも足りなかったということ」と、もうオフを見据えた。

 初めて日本Sを経験した昨年は敗退した。「日本一の景色を見てみたい」と臨んだ雪辱の舞台。たどり着いた歓喜の場で、ナインを見渡した。「やっぱり層が厚い。出た選手みんなが活躍できる。僕も負けじと」。そして、続けた。「早く練習したい。この感覚を忘れたくない。いまはバッティングがしたい」。大一番で発揮した底力は来季の逆襲宣言とイコール。通算275発、本塁打王4度のスラッガーは、まだまだ輝きを放つ。(安藤 理)

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