「感動させる采配も監督の仕事」日本ハム・新庄剛志監督にチルドレンが応え逆転突破「ボスを日本一に」
スポーツ報知
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2024.10.15(火) 06:00
◆2024 パーソル クライマックスシリーズ パ・ファーストステージ 第3戦 日本ハム5―2ロッテ(14日・エスコンF)
「2024 パーソル クライマックスシリーズ パ」第1ステージ(S)第3戦で2位の日本ハムが勝利し、最終S進出を決めた。新庄剛志監督(52)の采配が的中。開幕前にレギュラーを確約した水野達稀内野手(24)が7回に決勝2点三塁打、シーズンで一度も回またぎのなかった田中正義投手(30)が5回途中から7回途中まで好投するなど2戦連続の逆転勝ちで、16日からの最終S・ソフトバンク戦(みずほペイペイ)へ駒を進めた。
ドラマチックに福岡行きの扉をこじ開けた。10年ぶりのCS第1S突破に、“脚本家”新庄剛志が酔いしれた。「ドラマ的な。こういう舞台を(過去)経験してるから」。3点リードの9回に送り出したのは百戦錬磨のベテラン宮西。今季0セーブの39歳が3人を完璧に封じるとマウンドに歓喜の輪ができた。選手の目には涙。地鳴りのような歓声に包まれ「北海道のファンはおとなしい印象が強かった。道民の殻を破らせた。選手がそうさせた。よかった」と震える拳を握りしめた。
第2戦に続き、お家芸を見せた。シーズンで32度の逆転勝ちは12球団最多。2回に2点を先行されたが、そこからが真骨頂だった。勝負を決めたのは、開幕前に「レギュラー手形」を渡した水野だった。2―2の7回2死一、二塁で種市の153キロを右中間へ。直前、無死一、二塁から痛恨の併殺を食らった上川畑を救う2点三塁打。「2月の自分に言ってやりたい」。キャンプ2軍スタートだった9番打者が殊勲打を放った。
昨季までプロ2年で52試合、0本塁打。実績はないに等しい。でも、ボスは全てを見通していた。2月、ウェート場で身長171センチの水野がベンチプレスで140キロを上げると聞いた。渡辺スコアラーの「彼は天才」のお墨付きもあり「よし、レギュラー」と即決。あえて調子が落ち始めたOP戦中に正遊撃手を確約し、覚醒に導いた。今季7発とパワーの片りんを見せた24歳。「ボスを日本一にしないといけない。ここで負けるつもりはなかった」と恩返しした。
同点の5回途中からは守護神・田中正を投入し、今季一度もなかった回またぎを託して7回1死まで完全投球。「感動させる采配も監督の仕事」とエスコンの空気を一変させた。「勇気、いりましたけどね。描いたとおりになった」。日本一を見据え、エース伊藤を第1Sで投げさせず、あえて最終S初戦に回した決断も正解にした。「脚本は、まだ22ページある」。いざ、故郷の福岡へ。シナリオは出来上がっている。(堀内 啓太)
◆水野 達稀(みずの・たつき)2000年7月30日、香川県出身。24歳。丸亀城西では3年夏に甲子園出場。JR四国では21年の日本選手権1回戦でサヨナラ本塁打を放ち、8強進出に貢献した。21年ドラフト3位で日本ハム入団。今季の球宴ではファン投票で選出されたが、右足首を痛め辞退。171センチ、75キロ。右投左打。
◆記録メモ
▼…日本ハムが●〇〇で、最終S進出を決めた。第1Sは18年以来7度目で、最終S進出は08、14年に次いで3度目。2位で迎えた第1Sは11年が●●、15年●〇●。3度目の正直で初めて2位からの進出を決めた。パの2位チームは第1Sのなかった20年を除き、18年ソフトバンクから6チーム連続で最終S進出となった。
▼…プレーオフ、CSで1勝1敗に追い付いたケースは今回が21度目だったが、過去20度のうち最終S進出は5チームという進出率25%の難関をクリア。日本ハムが●〇で3戦目を迎えたのは、04、15、18年に次いで4度目だったが、初めて最終S進出を決めた。
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