【ソフトバンク】ドラ1左腕はホロ苦のち“持ってる”デビュー 小久保監督「人生初の挫折と言っていいかもしれない」

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2024.10.2(水) 05:00

3回、オリックス・セデーニョに2ランを被弾した前田悠(カメラ・義村 治子)

◆パ・リーグ ソフトバンク8―6オリックス(1日・みずほペイペイドーム福岡)

 ソフトバンクのドラフト1位は、ホロ苦のち“持ってる”デビューとなった。前田悠が3回8安打6失点で降板しながら、13年9月18日の楽天戦(Kスタ宮城)で2―8から11―10と逆転勝利して以来、11年ぶりの6点差大逆転を演出した。初回は3者凡退。しかし2回に4点を失うと、3回にもセデーニョに低めチェンジアップを左翼席へ運ばれる14号2ランを食らい、3回8安打6失点でマウンドを降りた。「2軍では打ち損じてくれていたけど、1軍になると甘い球を逃してくれない」と唇をかんだ。

 だが打線が奮起した。3、4回に1点ずつ返すと、5回も栗原の連日の19号2ランなどで2点差に迫り、なおも2死満塁。今宮が右中間に逆転の3点二塁打を放った。19歳の黒星を帳消しにした33歳は「0―6になった時はヤベェと思ったんですが、結果的に負けが消えて良かった。度胸は間違いなくある投手」と同じ境遇の高卒ドラ1をたたえた。

 「通用してない。ここからはい上がるしかない」と、あどけなさが残る左腕に厳しいゲキを飛ばしたのは小久保監督だ。「人生初の挫折と言っていいかもしれない。ただ6点ビハインドで負けがつかないところに前田悠伍を感じました」と黄金ルーキーの神通力に感服した。残り2試合で大台の90勝に「あと1」。V2の欠かせないピースとなるため、19歳はオフに爪を研ぐ。(田中 昌宏)

 ◆前田 悠伍(まえだ・ゆうご)2005年8月4日、滋賀・長浜市生まれ。19歳。高月スポーツ少年団に所属した古保利小6年時にオリックス・ジュニア選出。湖北ボーイズでプレーした高月中1年時にU12日本代表でカル・リプケン世界大会優勝。大阪桐蔭で1年秋からエース格で、甲子園に春夏3度出場。2年時の22年センバツで全国制覇。23年ドラフト1位でソフトバンク入り。契約金1億円、年俸1000万円(推定)。今季ウエスタン・リーグで12試合4勝1敗1セーブ、防御率1・94。179センチ、76キロ。左投左打。

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