【日本ハム】「選手の顔と名前、全く知らない」から3年でつかんだ新庄政権初のCS進出

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2024.9.27(金) 06:00

日本ハム・新庄剛志監督

◆パ・リーグ 日本ハム2―1楽天(26日・エスコンフィールド)

 日本ハムが楽天を下し、2018年以来6年ぶりにクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。12球団最多31度目の逆転勝利で、新庄剛志監督(52)は就任3年目で初のAクラス入り。清宮幸太郎内野手(25)の決勝13号ソロ、開幕投手の伊藤大海投手(27)が11年のダルビッシュ有以来となる3試合連続完投でリーグ単独トップの14勝目を挙げるなど“新庄チルドレン”が躍動。2年連続全球団負け越しでの最下位の屈辱を力に変えた。

 2年分の思いがはじけた。就任後初のCS進出決定。新庄監督はグラウンドで狂喜乱舞したのち、会見場に「ひゅ~」と大きく息を吐いて現れた。「めちゃくちゃ疲れたね。今年の一つの目標でもある『最低でもCS』。かわいい選手たちがかなえてくれて感謝してもしきれない」。安どの笑顔が重圧を物語っていた。

 快進撃を支えてきた男たちが勝負どころで輝いた。4回に4番レイエスの24号ソロで追いつくと、6回に清宮が勝ち越し弾。過去2年、接戦を落とし続けてきたチームが12球団最多31度目の逆転勝ちだ。1年目のダイエット指令に始まり、今季は褒めない指導法で清宮を“覚醒”させたボスは「スターですよ」と右中間への鮮やかなV弾に手をたたいた。

 「選手の顔と名前、全く知らない」から始まった新庄政権。ド派手なパフォーマンスなど言動ばかり注目されたが、陰での努力はすさまじかった。1台だった携帯タブレットは「セ・リーグ用」など研究用に2台、3台と増え続けた。毎日1、2軍全球団の試合を早送りせずチェックする姿は「24時間、頭の中は野球」とマネジャーをもうならせた。的中しても、自ら「勘ピューター」とごまかす采配は寝る間を惜しんで膨大なデータをたたき込む過程があってこそ。「選手たちが僕の人生の中の自慢」と誰よりナインの成長を願う指揮官に、チルドレンが苦節3年で初のCS切符を贈った。

 「1年目のスタッフミーティングで(統括本部長の)吉村さんが『新庄監督の言うことは絶対です』と。そこからスタートしてもらった。その言葉が今でも朝起きて頭に浮かんでさあやるぞって。僕なりの恩返しは一つできたかな」

 28日のソフトバンク戦で勝てば本拠地CS開催の権利を得る2位が決まる。「もう頭の中はクライマックスを飛び越えて日本シリーズに出ることしか考えてない」。新庄ハムの大逆襲は終わらない。(堀内 啓太)

 〇…1年契約の新庄監督が来季について言及した。球団首脳は今季の躍進ぶりを高く評価する中で、報道陣から続投意欲を問われ「まだ、さっぱりビジョンは浮かんでこないですね」とシーズンに集中することを強調した。一方、苦しんだ過去2年も振り返り「監督業ってのは成績が出なかったら首を切られる。自分を信じて、批判に負けず、信念を持ってやり通すことが大事」と熱く語った。

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