◆パ・リーグ　西武１―０オリックス（２０日・前橋）

　勝てなかった。でも、負けなかった。５年ぶりに踏んだ郷里・群馬のマウンド。西武・高橋を支えてくれたのは駆けつけた知人をはじめとするファンの温かい声援だった。「楽しみにしていたのでグッときましたね」。開幕から９連敗と苦しむエースにとって何よりも心強かった。

　安打を許しても集中力を切らさなかった。「丁寧に投げられました。じれたら大量失点につながりますから」。５回まで７安打を許しながらも粘り強く投げて連打を許さない。フォークボールをはじめ緩急をうまく使った同郷の柘植のリードにも乗せられて無失点で乗り切った。１６年、１９年と過去２度の前橋での登板はともにロッテに７失点。「群馬バッテリーでよかったです。初めてゼロで抑えたので」と笑みを浮かべた。

　１２日の日本ハム戦（エスコン）で右脇腹がつりそうになったこともあって、この日は５回７６球でマウンドを降りた。勝ちこそつかなかったが、降板後に佐藤龍が決勝適時打。１対０の完封リレーでチームが３連戦初戦をものにした。「群馬の皆さんにいいところを見せられました」。慣れ親しんだ群馬の空気を吸って、エースが復調のきっかけをつかんだ。（秋本　正己）

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