ロッテ・古谷拓郎「毎日やる練習が今年はある程度確立」ファームで安定した投球を継続
ベースボールキング
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2024.5.13(月) 10:00
ブルペンで投球練習するロッテ・古谷拓郎(撮影=岩下雄太)
◆ 素晴らしかった4月25日の楽天二軍戦の投球「自分がイメージしていること、やりたいことがある程度できた試合だったなと思います」。
ロッテの古谷拓郎は4月25日の楽天二軍戦の登板をこのように振り返った。
この日の古谷は投球テンポがよく、3回・35球を投げ、ボール球はわずかに4球(死球を含む)のストライク先行の投球。古谷のボールを受けた柿沼友哉捕手は「それこそ調子が良かった。古谷自体が元々テンポが良いので、投げているボールがいいから、どんどんよくしていこうと話しながら投げていました」と話した。
0-0の2回一死走者なしで入江大樹に1ボール2ストライクから見逃し三振に仕留めたインコース146キロストレートなど、右打者へのインコースのストレートが素晴らしかった。
古谷は「あの試合に関しては自分が投げたいところにある程度投げられましたし、普段は2ストライクからインコースのボールとか、ボール球になることが多かったんですけど、1球でしっかり仕留められたのでこの間の試合は良かったと思います」と振り返り、柿沼は「めちゃくちゃ良かったです。ストレートがシュートしたり、スライダーしたりというのがなくて綺麗な回転だった。うまく力が伝わっているような感じがしました」と絶賛。
変化球に関しても、0-0の3回先頭の吉野創士を1ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた129キロの縦に落ちるスライダーが良かった。柿沼は「多分高さがいいところに来て、縦に落ちたのかな。あの日スライダーも良かった」と評価。
古谷は「スライダーは左のインコースと右の外を主に投げているんですけど、そこにしっかり投げられたので、そこは良かったなと思います」と自己分析した。
縦気味に落ちているように見えたスライダーについて古谷は「空振りを取りに行ってワンバウンド気味に投げたらああいう感じになったという感じです」と解説してくれた。
◆ 安定した投球を続けられている理由
4月6日の西武戦から8イニングを投げて、被安打はわずかに1、6奪三振、1与四球、無失点と完璧に近い投球内容。何か掴んだものがあったりするのだろうかーー。
「試合前のブルペンの感じでキャッチボールをしていて、この感じかなみたいなものがなんとなくあって、そのまま試合に持って行ったら前回はああいう形になりました」。
次回登板した時に、同じ感覚で投げられれば、確信めいたものに変わる可能性はあるのだろうかーー。
「そうですね、ああいうピッチングが続けられれば自信が付きますしいいのかなと思います」。
今年、安定した投球が続けられている要因について「以前に比べたら毎日やる練習が今年はある程度確立していて、良くも悪くも毎日コツコツ続けていることが自分の調子に敏感になれたり、引き出しが増えていることが要因なのかなと思います」と説明。
具体的に毎日コツコツ継続していることについて「去年から始めていたジャベリックスローとか、ハンドボールを投げたりとか、自分の体の動きが顕著に物体に出てくるので、体が開いてたりしたら、どこを直さないといけないのかなとか毎日色々試しながらやっているという感じです」と教えてくれた。
それは先輩から聞いたり、自身で動画などを見て取り組むようになったのだろうかーー。
「きっかけは澤田さんがロッテに来てから去年の春から始めました。徐々に良くなったというのはあるので、聞きながらというのもそうですし、1年間くらいやっているのでこういう時にはこうなるというのがある程度わかってきているという感じです」。
安定した投球を継続した先に支配下選手復帰が待っている。「前回みたいなピッチングを1試合でも多く、なるべく平均値になるようにしたいと思います」。本拠地・ZOZOマリンスタジアムのマウンドで躍動する日を今か今かと楽しみにしているファンは多いはず。その期待に応えられるように、ファームで圧倒的な投球を続け、支配下選手に返り咲きたい。
取材・文=岩下雄太