日本ハムが新庄マジック3連勝!指揮官予告「チャンスで」代打・伏見が同点打…水野初サヨナラ打で最多タイ貯金5

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2024.5.13(月) 06:00

ポーズを決める水野(左)と伏見(カメラ・上村 尚平)

◆パ・リーグ 日本ハム6x―5ロッテ(12日・エスコンフィールド)

 興奮のあまり、日本ハム・新庄剛志監督(52)の足元がフラついた。「立ちくらみがするので、取材を受けられません」。今季3度目のサヨナラ勝ちを告げる打球が一、二塁間を抜ける。9回に2点差をひっくり返しての3連勝。狂喜乱舞し、これでもかとプロ初劇打の水野の頭をなでた。

 苦しむ若武者を救ったのはベテランだった。9回無死から連打で1点差と詰め寄り、さらに敵失と四球で満塁として守護神・益田をKO。1死後、左腕の鈴木から代打・伏見が起死回生の同点打を左前に運んだ。「寅威さんが打ってくれて気持ちが楽になった」と水野。34歳の誕生日を迎えた伏見の一振りが、前日から5打数5三振だった水野の心を軽くした。

 伏見が放った同点打は、“新庄マジック”によって生まれた。劇勝の7時間前。歩み寄ってきた指揮官から「誕生日おめでとう。チャンスでの代打、頭に入れといて」と予告された。打率2割1分4厘、しかも今季の代打起用は1度。「普段なら自分が代打を出される場面」と自認するチーム野手最年長は、「練習中にそう言ってもらえたことでいつも以上の準備ができた」と感謝。何度も選手を救ってきたボスの絶妙な心配りが勝負所で効いた。

 12日は母の日。伏見は毎年、母・亜矢子さんへ花などのプレゼントを贈る。今年は珍しく自身の誕生日と重なった。球場のロッカーを開けるとサプライズで似顔絵と「はぴば」と刻まれたTシャツ、手紙が置かれていた。送り主は2軍で故障からの復活を目指す池田だ。水野ら後輩は練習でそのシャツを着用。若手主体のチームの中心には、後輩思いで人望が厚く「寅威ママ」と慕われる男がいる。

 昨季負け越したロッテに7連勝を飾り、ここまで8勝1敗。貯金は再び新庄政権最多タイの5となり、首位・ソフトバンクとの差は4・5に縮めた。3連敗からの3連勝。「年上と若手が支え合う。オリックスが勝っていた時と似た雰囲気を感じる」。オリックスで日本一を知る伏見は、3年目の新庄ハムに確かな手応えを感じている。(堀内 啓太)

 ◆水野、初サヨナラ打

 水野が3年目で初のサヨナラ打を放った。新庄監督と“同期”の23歳は「やりました~!」とお立ち台で絶叫。「興奮しすぎてバットに当たってからの記憶がない」と振り返った。母・真理さんのハンバーグが大好物で「アマチュア時代からどこでも試合を見に来てくれる優しいお母さん。去年はちょっといいドライヤーをあげた。今年も考えます」と笑顔で特別な一日を締めくくった。

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