ロッテ・和田康士朗が目標にする“30盗塁” 成功率を求めた昨季の盗塁失敗はわずかに1

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2024.1.30(火) 10:00

昨季行われた秋季練習で走塁練習をするロッテ・和田康士朗[撮影=岩下雄太]

 「スタメンで出たら30盗塁行けるという思いはあるので、30盗塁走るためにはスタメンに出ることかなと思います」。

 ロッテの和田康士朗は今季、レギュラーを勝ち取った先に、シーズン30盗塁を目標に掲げる。

 和田は育成3年目の20年に練習試合から武器である“足”でアピールし、シーズン開幕前の6月に“支配下選手登録”を勝ち取り、同年に23盗塁を決め、“代走の切り札”としての地位を確立。21年には打席数がわずか24打席ながら、24盗塁をマークし自身初の盗塁王を獲得した。

 22年はオールスター前に11盗塁を決めたが、オールスター明けは盗塁が“0”。22年は盗塁数(11)、盗塁失敗(7)は支配下選手登録後、共に自己ワーストだった。盗塁失敗が目立った原因について和田は「メンタルじゃないですかね」と自己分析し、「後半とかは焦って早くスタートを切らなくちゃと思って、スタートで結構力んじゃってスピードに乗れないというのがありました。スタートも切った瞬間にアウトかもしれないというのが何回もあったので」と振り返った。

 昨季は「シーズン始まる前に大塚さんと今年(2023年)は数というよりは、成功率を求めていこうと言われていたので、成功率を残せたんじゃないかなと思いますね」と、21度の盗塁機会で20度の盗塁成功。失敗はわずかに1つだった。盗塁成功率はプロ入り後、最も良い.952。

 和田は昨季シーズン通して“絶対に走らなくちゃいけないというよりかは、いける時にいこう”と話していたが、それはシーズン通してできたのだろうかーー。「たまに場面によって強引にいくところはありますけど、去年(2022年)よりかは全然いける時に行こうという感じは増えました」。

 その一方で、ここは走れたかなという場面は「何個かありましたね」と反省する。そこが今季に向けての課題であり、伸びしろといえそうだ。

▼和田の年度別盗塁数
20年 23盗塁 失敗3
21年 24盗塁 失敗5
22年 11盗塁 失敗7
23年 20盗塁 失敗1


◆ マリン移転後30盗塁を記録した選手は?

 和田が目標とする30盗塁。ZOZOマリンスタジアム移転後、ロッテでシーズン30盗塁以上した選手を見ると、小坂誠(5度)、西岡剛が(2度)、岡田幸文、伊志嶺翔大、中村奨吾、髙部瑛斗の6人。

 ドラフトでも俊足巧打タイプの指名が多く、足を使える選手が多い中で、意外にも少ない印象か。同一シーズンで30盗塁以上を複数出たのも11年(岡田、伊志嶺)の1度だけ。22年に和田と荻野貴司が盗塁王に輝いたが、24盗塁で30盗塁に届かなかった。

 パ・リーグの盗塁王争いは、50盗塁以上で争うハイレベルな時期もあったが、30盗塁以上すれば盗塁王も見えてくる。昨季盗塁王に輝いた小深田大翔(楽天)、周東佑京(ソフトバンク)は36盗塁だった。

 和田が目標に掲げる“30盗塁”は、スタメン出場すればそれだけ盗塁機会のチャンスが増え、十分可能な数字。30盗塁を達成していれば、自身2度目の盗塁王、レギュラー定着をしているはず。シーズンを終えた時に、和田はどんな姿を見せているだろうか。

▼ZOZOマリンスタジアム移転後30盗塁以上した選手
97年 56盗塁 小坂 誠
98年 43盗塁 小坂 誠
99年 31盗塁 小坂 誠
00年 33盗塁 小坂 誠
01年 32盗塁 小坂 誠
05年 41盗塁 西岡 剛
06年 33盗塁 西岡 剛
11年 41盗塁 岡田幸文
11年 32盗塁 伊志嶺翔大
18年 39盗塁 中村奨吾
22年 44盗塁 髙部瑛斗

取材・文=岩下雄太

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