ロッテ、近年課題だった指名打者…ポランコ「めっちゃ、嬉しいです!」とベストナイン受賞

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2023.11.28(火) 08:27

ロッテ・ポランコ (C) Kyodo News

◆ ポランコがベストナイン受賞

 ロッテのグレゴリー・ポランコが27日、パ・リーグ指名打者部門のベストナインを受賞した。

 ポランコは球団を通じて「ベストナインに選んでいただいて光栄です。めっちゃ、嬉しいです!今年は1年間、怪我なく本当に良いシーズンを送ることが出来ました。応援をしてくださったすべてのファンの皆様、マリーンズの皆様、NPBの方々に心から感謝をしています。パワー!」と喜んだ。

 ポランコは巨人からロッテに移籍した今季、球団では1986年の落合博満氏以来となる37年ぶりに本塁打王に輝いた。26本塁打を放ち本塁打王のタイトルを手にしたポランコだが、4月終了時点で打率.132、1本塁打、5打点と低調なスタートだった。5月に5本塁打、15打点を放つと、6月は2本塁打だったが、月間打率.348、7月以降は18本のアーチを描き、7月16日の楽天戦、8月23日のソフトバンク戦では1試合3本塁打を放った。近藤健介(ソフトバンク)、浅村栄斗(楽天)ともに本塁打王を獲得した。


◆ 近年課題だった指名打者

 ポランコが本塁打王、指名打者部門でベストナインを獲得したことで、近年課題にしていた“指名打者”を克服した。

 昨季までの指名打者の成績を振り返ると、2018年から22年までの5年間で、チーム全体の指名打者の打率は.250以上を上回ったシーズンが1度もなく、20本塁打以上放ったシーズンも2019年のみ。デスパイネが在籍していた16年までは、主にデスパイネが指名打者で起用され、同年は打率.268、24本塁打、87打点(指名打者でスタメン出場した時の成績のみ)をマークした。デスパイネが退団した17年以降は、1人の選手に指名打者を任せるのではなく、レギュラーの選手を交代しながら指名打者で起用していくことが多かった。2年連続2位となった20年と21年は、指名打者で50試合以上出場した選手はいなかった。

▼ ロッテの18年から昨季までの指名打者成績
<2018年>
134試 率.239(456-109)本6 点47
【主な指名打者成績】
角中勝也 52試 率.275(189-52)本2 点25
福浦和也 42試 率.207(140-29)本1 点7

<2019年>
134試 率.232(461-107)本21 点81
【主な指名打者成績】
井上晴哉 51試 率.257(175-45)本16 点40
バルガス 24試 率.176(74-13)本1 点5

<2020年>
120試 率.205(410-84)本7 点30
【主な指名打者成績】
角中勝也 37試 率.205(127-26)本0 点8
清田育宏 23試 率.311(74-23)本3 点9

<2021年>
134試 率.220(472-104)本14 点59
【主な指名打者成績】
レアード 35試 率.299(117-35)本8 点26
角中勝也 32試 率.185(108-20)本0 点7

<2022年>
134試 率.204(486-99)本11 点49
【主な指名打者成績】
レアード 83試 率.186(307-57)本9 点34
山口航輝 17試 率.254(63-16)本2 点7

 ポランコが加入した今季、ポランコが指名打者でチーム最多の108試合に出場。指名打者の成績は打率こそ.242も、24本塁打、69打点は、球団の指名打者では18年以降最高の成績。本塁打と打点は1人で18年、20年、21年、22年の数字を上回った。加入前までポランコは指名打者での出場は巨人時代の昨季が1試合、メジャーでプレーした8年間で15試合だったが、指名打者という役割にしっかりと順応した。また、今季はポランコが指名打者でどっしりと座ったことで、ポランコに次いで指名打者での出場が多かったのは6試合の井上晴哉だった。

 試合中は守備につかず、試合の入り方など難しさがある中で、ポランコは本塁打王、指名打者部門でベストナインに輝くなど、チームの課題点を見事にそのバットで克服してくれた。

<2023年>
134試 率.238(496-118)本25 点80
【主な指名打者成績】
ポランコ 108試 率.242(409-99)本24 点69
井上晴哉 6試 率.286(21-6)本1 点3

文=岩下雄太

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