ロッテ・平沢大河「打てた時期もあったが、全体的には打てなかった」昇格即逆転弾、17試合連続出塁とらしさを見せるも…

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2023.11.25(土) 10:00

ロッテ・平沢大河 (C) Kyodo News

「最初の方は試合に出させてもらって、打てた時期もあったんですけど、全体的には全然打てなかった。守備もそうですけど、打撃が一番大事かなと思います」。

 ロッテの平沢大河は今年1年をこのように総括した。

◆ 荻野の故障で昇格し“今日をチャンスに変える”も…

「まずはバッティングが打てないと話にならない。打つことと、どこでも守れるように全ポジションチャンスがあればと思ってやっています」。

 プロ8年目に向け春季キャンプで意気込んでいた平沢は、オープン戦で打率.280、1本塁打、2打点とアピールしたが、開幕は二軍スタート。それでも、荻野貴司の故障で4月8日に今季初昇格を果たすと、同日の楽天戦で『9番・右翼』で先発出場し、3-4の8回二死一塁の第4打席、西口直人が3ボール2ストライクから投じた5球目の149キロストレートをライトスタンドへ放り込み、これが決勝の2ラン。まさに、“今日をチャンスに変える。”今季のチームスローガンを体現する働きぶりだった。

 4月18日の日本ハム戦では、4-1の9回一死一、二塁の第4打席、井口和朋に対して2球で追い込まれるも、そこからボールを見極め、ファウルで粘り10球目の147キロストレートを見送り四球を選ぶなど、4月8日の楽天戦から4月30日のオリックス戦にかけて17試合連続出塁。

 5月に入ると6日のソフトバンク戦で安打を放ったのを最後にパタリと当たりが止まり、6月10日に一軍登録を抹消された。

 「一軍では打ちたすぎる気持ちがあって、自分からボールを追いかけていた感じはあった。二軍では自分のポイントで呼び込んで打つというのを意識してやっていました」。

 「内田さん、二軍監督、打撃コーチと一緒に“ここはこうした方がいいんじゃないの”という会話をしながら、どんどん良くなっていった感じなので、それを一軍で継続してやれればなと思います」。

 降格してからファームで打率.356、3本塁打、10打点と打ちまくり、7月21日にZOZOマリンスタジアムで行われた自主練習から一軍に合流すると、翌22日に一軍再昇格。同日のソフトバンク戦で、「対左で打てたのは自信になります」と、左の大関友久から右中間に二塁打を放てば、2つの四球を選び“平沢らしさ”を見せた。7月28日に特例2023で一軍登録を抹消されたが、7月29日に一軍復帰。

 『1番・右翼』で出場した8月3日の日本ハム戦で、初回に第2号先頭打者本塁打を放つと、6回の第4打席にも本塁打を放ち、1試合2ホーマー。翌4日の楽天戦でも2安打したが、5日の楽天戦は4打数0安打、9日のオリックス戦は守備から途中出場するも無安打に終わり、8月10日に一軍登録抹消となった。

 シーズン最終盤に今季4度目の昇格を果たすも、安打を放つことができず。プロ8年目の今季は57試合に出場して、打率.170、3本塁打、8打点に終わった。


◆ 自分を信じる重要性

 平沢のこの1年を振り返ると、4月の状態をキープできれば良かったが、5月の不調が長引き、8月に打った時期もあったが継続してアピールすることができなかった。

 打撃の好不調の波を小さくし、安定させるために必要なことについて平沢は「打てなかった時に自分の気持ち的な部分も大きかった。マイナス思考というかネガティブになってしまった部分があったので、なんとか自分を信じてやれたら良かったのかなと思います」と反省。

 さらに平沢は「シーズン中はなかなか大きく変えられないので、今年やってきたことを信じてやるしかなかったんですけど、なかなかうまくいかずネガティブな感じがあった。そこをなんとか自分の中で整理しながらやれたら良かったのかなと思います」と続けた。

 この秋は「何があってもブレないような。去年の秋、今年の春もやってきたことを継続してまずは体を作りながら、やっていきたいと思います」と意気込んだ。去年の秋、今年の春もやってきたこととは、これまで取材で話してきた“自分のポイントで呼び込んで打つ”という部分だろうかーー。

 「そうですね、しっかりまずはライナーを打つことを心がけていますね。調子がいい時はセンター中心にライナーが打てている時。アウトになっている時はポップフライであったり、引っ掛けたゴロが多かったので、崩されながらでもライナーを打てるようなバッティング、強いライナーを目指してやっています」。

 来季でプロ9年目。気がつけば、中堅と呼ばれる年齢に差し掛かりつつある。「キャリアハイを目指して、一軍の戦力になれるように頑張りたいなと思います」。平沢に期待するファンも多い。その期待に結果で応えて、4月8日の楽天戦で見せた逆転弾のような活躍をシーズン通して見せてほしい。

取材・文=岩下雄太

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