日本ハムの上沢直之投手（２９）が２８日、エスコンで会見を行い、ポスティングによるメジャー挑戦を表明した。申請期間は１１月１日からで近日中に正式な手続きを行う予定。マイナー契約を提示された場合でも交渉に応じる方針だ。日本ハムで５年間ともにプレーした１学年下の後輩・大谷翔平（エンゼルスからＦＡ）との対戦を心待ちにした。

　６年越しの夢をかなえるスタートラインに立った。濃紺のスーツに身を包んだ上沢は「人生で後悔しない選択をすると決めました」。専大松戸高から１１年ドラフト６位で入団し、通算７０勝を積み上げた。来年２月に３０歳を迎えるエースの背中を球団も後押しした。

　「『下位指名で注目されないところから自分でポジションをつかんだ。大谷やダルビッシュとは違ったモデルとして、若い選手に伝えていける』と言ってもらえて本当にうれしかった」

　プロ２年目の春季キャンプで同部屋だった大谷とは公私ともに親交が深く、海を渡ってからも連絡を取り合う仲だ。「こいつが活躍できなかったら、メジャーやばすぎるだろって思っていた。絶対に結果を残すと思っていた」と誰よりも後輩の実力を認め、異国での活躍を刺激に変えてきた。

　日米野球に出場した１８年に志した舞台では、世界一の打者に成長した盟友が待つ。「翔平と対戦したらすごく興奮すると思う。アメリカで一番、本塁打を打っている打者と対戦したい」。日本ハムのポスティング利用は６人目で、ドラフト３位以下では初めて。たたき上げの右腕が、新たな挑戦へ踏み出す。（内田　拓希）

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