◆２０２３　パーソルクライマックスシリーズ　パ・ファイナルステージ第１戦　オリックス８―５ロッテ（１８日・京セラドーム）

　「２０２３　パーソル　クライマックスシリーズ　パ」の最終ステージ（６試合制）が１８日、京セラドーム大阪で開幕し、３連覇のオリックスが２位ロッテを８―５で下し、２勝０敗（アドバンテージ１勝含む）とした。山本由伸投手（２５）が初回に３点を奪われるなど７回５失点。それでも打線が奮起し、３―４の６回に集中打で４点を奪って逆転。山本は３年連続で最終Ｓ開幕戦勝利となった。

　エースを救い、４人が並んだお立ち台でも紅林が主役を張った。４―４の６回無死一、三塁で技ありの右前適時打を放ち、渾身のガッツポーズ。「珍しく由伸さんがああいう感じだったんで。いつも助けてもらっている分、野手が助けないといけない、と」。今季初めて５失点した山本を強力援護。ヒーローインタビューでは「（先輩の山本に）『切り替えていけよ』という感じで声をかけました」と明かし、客席の爆笑をさらった。

　逆らわない打撃で４年目の進化を示した。決勝打は２ボール２ストライクから外角スライダーを流し打ち。３点を追う４回２死一、二塁でもフルカウントから右中間へ２点二塁打だ。「試合前に頓宮さんに『２ストライクからの方が打率がいい。追い込まれるまで待て』と言われた」。今季は自己最高の打率２割７分５厘をマークしたが、追い込まれてからも同２割７分３厘を残す。昨季は同１割７分８厘だっただけに雲泥の差だ。Ｒソックスの吉田もテレビでゲスト解説を務め、「これが今年、２ストライクからの打率がいい理由」と古巣の後輩の対応力をたたえた。

　その紅林を中心に、ビハインドでもねちっこいのが猛牛打線の真骨頂だ。大黒柱のまさかの初回３失点さえ、なんのその。４回に宗の左翼への適時打で追いつき、６回に再び１点を勝ち越されてもあきらめない。杉本、中川圭にもタイムリーが飛び出すなど一挙４得点のビッグイニングで突き放した。中嶋監督も「誰一人として集中力が欠けていなかった」とうなずいた。

　若武者は勝利後の報道陣の囲み取材で「（お立ち台で）ちょっと言い過ぎちゃったんですけど。（山本が）次はやり返してくれると思います」と苦笑い。この関係性、空気感もチーム一丸の証拠だ。１１月の国際試合で侍ジャパンの代表候補に挙がる成長株は本当に頼もしくなった。（小松　真也）

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