金村義明氏 エース・山本の乱調で逆に際立ったオリックスの強さ

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2023.10.19(木) 05:00

4回2死二塁、宗に同点適時打が飛び出し、沸き立つオリックスベンチ(右端は中嶋監督)(カメラ・泉 貫太)

◆2023 パーソルクライマックスシリーズ パ・ファイナルステージ第1戦 オリックス8―5ロッテ(18日・京セラドーム)

 第1戦は予想外の展開になった。まさかオリックス・山本が初回に3点を取られるとは。第1Sを劇的に勝ち上がったロッテの勢いもあったが、キレ、制球ともに、いい時に比べると劣っていた。シーズンからのブランクもあるのだろう。初回の荻野の投手強襲安打、藤岡の中前への打球も、普段なら反応よく投ゴロに処理できていたはずだ。

 ただ、それもオリックスの強さを際立たせただけだった。エースが打たれたにもかかわらず、粘って粘って逆転勝ち。打線には強い「つなぐ意識」を感じる。4回の紅林の右中間への2点二塁打、6回の杉本の右中間への同点打に象徴されたように、逆方向への意識を持って逆転へ一丸となっていた。山本で負けていたら、1勝のアドバンテージも吹っ飛ぶぐらいダメージは大きかった。しかし、これが日本一、リーグ3連覇チームの実力。まさに横綱相撲を見せつけたと言っていい。

 ロッテも打線がうまく初回に山本を攻略したが、第1Sを戦ってきて、最終Sまでの間隔が短いだけに、投手陣の頭数などが苦しい。先発・美馬も3回まではしのいだものの、4回はボールが甘いゾーンに集まった。巻き返しには投手陣の踏ん張りが望まれる。(スポーツ報知評論家・金村 義明)

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