【オリックス】曽谷龍平が6回1安打無失点 7度目の先発でプロ初勝利「苦しいことばかりで、うまくいかないことの方が多かった」

スポーツ報知

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2023.10.10(火) 06:20

今季最終戦でプロ初勝利をあげた曽谷龍平(カメラ・岩田 大補)

◆パ・リーグ オリックス4―1ソフトバンク(9日・京セラドーム大阪)

 オリックスのドラフト1位・曽谷龍平投手(22)がプロ初勝利を挙げた。6回を1安打、二塁すら踏ませない力投だった。今季10試合目の登板、7度目の先発で待望の白星。「苦しいことばかりで、うまくいかないことの方が多かった」。試合後、ズボンのポケットから、うれしそうにウィニングボールを出した。

 2回、チームメートの頓宮と首位打者を争っていた近藤にストレートの四球。「正直、最初は力みまくりでした」。しかし中村晃は中飛、柳町を二ゴロ併殺で立て直した。許した安打は4回2死、柳田の中前打だけ。近藤の2打席目は左飛に仕留め、先輩打者のタイトル獲得も確定的にした。

 前回登板の9月25日の西武戦では2点リードをもらいながら、制球難から5回3失点で降板。生まれて初めて、ベンチで悔し涙を流した。「これだけチャンスをもらってるのに…」。そんな失意の中で思い出したのが、山本のひと言だった。プロ初登板からリリーフ3試合で5月4日に2軍落ち。その際、移動のタクシーに同乗した山本に尋ねた。「携帯を見てる時間なんてないですよね?」。エースは即答だった。「そういうことだよ。俺だって練習するからね」

 悔し泣きした後、「由伸さんの言葉が全て」と“原点”に立ち返って「自分を信じて練習をしてきました」。周囲からの励ましのメールには「切り替え。己に負けるな!」と自らに言い聞かせるように返信し、この日の登板にかけた。

 「勝ち負けの責任は俺が取る。1イニングずつ、思い切っていけ」と送り出した中嶋監督も「本当によかった。こっちがホッとしました」と目尻を下げた。世界遺産の法隆寺などがある故郷の奈良・斑鳩町で「100勝します」と約束したのが今年1月。遠回りして得た1勝には、価値がある。(長田 亨)

 ◆曽谷 龍平(そたに・りゅうへい)2000年11月30日、奈良・斑鳩町生まれ。22歳。中学時代は志貴ボーイズで全国8強。明桜高(秋田)では現ロッテ・山口と同期。2年夏に控え投手として17年夏の甲子園出場。白鴎大では3年春に関甲新リーグ最多奪三振、3年秋に優秀選手賞などを獲得。4年春に無安打無得点試合を達成し、7月のハーレム大会で大学日本代表。22年ドラフト1位でオリックス入団。年俸1600万円。182センチ、80キロ。左投左打。

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