【日本ハム】細川凌平が3年目でプロ1号「入ってくれ!と祈りながら」 ブレない信念が生んだダメ押し弾
スポーツ報知
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2023.9.27(水) 08:51
◆パ・リーグ 日本ハム7―0ロッテ(26日・エスコンフィールド)
日本ハムの高卒3年目・細川凌平内野手(21)がプロ1号を放った。「9番・遊撃」で先発し、5点リードの6回無死二塁、ロッテ・岩下の低め145キロ直球を右翼席に運んだ。リードを7点に広げるダメ押し2ランは、計164打席目で飛び出した初アーチ。ベンチでは先輩たちから手荒い祝福を受け「打った瞬間にいい感触で、いい角度で上がってくれた。一昨日(24日)楽天モバイルパークで(先制二塁打が)フェンス直撃だったので『次は入ってくれ』と祈りながら走りました。うれしかった」と喜びをかみしめた。
カウント3―1になるまでベンチの指示は進塁打。右方向への引っ張り意識を徹底し、力強く振り抜いたことが最高の結果につながった。「サインで、自分的にも本塁打を打ちに行ったわけじゃないけど、当てに行って中途半端な打球になるのが嫌だった。練習から良い感じで打てていたので、練習での打球を試合で出せた感じです」とプロ初の1試合3安打にもうなずいた。
前日25日は高卒5年目の田宮が田中将からプロ1号。「タミ(田宮)さんと帰りの車が一緒で、その時に『先越されたな~。(24日の)フェン直入ってたら先やったのにな~』って話をしていた。1日遅れになったけど、打てて良かったです」と2軍で共に汗を流していた先輩に続いた。
記念球は「両親に」と21歳。高校は地元・京都を離れて智弁和歌山に進学したため「中学卒業してから親元を離れてずっと実家にいない。今まで育ててもらった感謝の気持ちを込めたい。(水上売店船経営で)仕事があるので試合も観に来られてないので」とギュッとボールを握りしめた。
ファーストミットと外野用を合わせ、3種以上のグラブを持って練習に臨むのは当たり前。高い身体能力を武器に内外野を高いレベルでこなす。日課は毎日の「野球ノート」だ。2軍にいる時から試合後は欠かすことなく良かった点、悪かった点、感じたこと、チームとしてどういう失敗があったかなどをじっくりと部屋で振り返る。「頭を整理できてない時点で次の練習をしてしまうと、ただ練習しているだけ、毎日同じ取り組みになってしまう。自分がどうなっていたか、じゃあこういうところを改善しようと思って練習するのでは全然違うと思う。他の人は早く練習に行って、それも大事だと思いますけど、自分の中ではしっかり整理してから行くって決めている」と信念を持つ。
「自分でやってきたこと、決めたことは、やり抜け。自分でケツふけよ」。ブレない心の強さは、幼少期に両親から教わった。シーズン中は外食も少なく「起きる時間、球場に来る時間は大体一緒。部屋からロッカーに何時に降りてきて、とかは大体一緒です。朝やる流れと、夜部屋に帰ってからやる流れは絶対一緒なんで」とルーチンは崩さない。
途中出場を合わせて直近5試合は4安打5打点と状態も上向きに見えるが「上がっているとか下がっているとかいうレベルの選手じゃない。打てなかったら自分の技術不足。打てても練習する。結果が出る準備をできているのはいいこと」と自分を見つめる強さがある。節目の初アーチは、びっしりと埋まった本拠地で飛び出した。大歓声を背にお立ち台も勝ち取った。真摯(しんし)に野球に取り組んできた若武者を、野球の神様は見離さなかった。
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