【日本ハム】田宮裕涼が楽天・田中将大からプロ1号「2軍でも1本しか打っていなかった…」新庄監督「素晴らしい捕手になる」

スポーツ報知

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2023.9.25(月) 23:03

6回無死、右中間にプロ初本塁打を放つ田宮裕涼

◆パ・リーグ 日本ハム1―9楽天(25日・エスコンフィールド)

 日本ハム・田宮裕涼(ゆあ)捕手(23)がプロ5年目で初ホームランを放った。2戦連続「9番・捕手」で先発し、0―1で迎えた6回先頭。楽天先発・田中将の初球、真ん中低めの144キロ直球を完璧に捉えた。右中間への弾丸ライナーは一時フェンス直撃の二塁打と判定されたが、新庄監督がすかさずベンチを飛び出して審判団にリプレー検証を要求。判定が覆ってスタンドインが認められ、大歓声を背に笑顔でホームインした。

 日米通算197勝右腕から放った会心の一撃。「僕的にも最初ツーベースだと思って。でも監督が出てきたので『まさか…』と思ったら入ってくれて。すごいピッチャーから打てて本当にうれしいです。ファームでも今年1本しか打っていなかったので、まさかエスコンで打てるとは…。とてもうれしかったです」。新庄監督も「1打席目、2打席目に白いバットを使っていて。田宮君っていったら黒いバットのイメージ。(自分で)バットを握りに行ったら白いバット重かった。『ちょっと悪いけど黒バットで打ってくれない?』って言ったら、ホームラン打ってくれました。素晴らしい弾丸ライナーで」と通算37打席目で飛び出した記念の一発を喜んだ。

 存在感が光ったのは打撃だけではない。4回の守備。2死一塁から二盗を狙った俊足の一塁走者・小郷を矢のような送球で刺した。前日24日の同戦では1試合で3度盗塁を阻止。この日も先発の伊藤大海を「ゆあビーム」でバックアップし「走ってくれたらラッキーだなって思ってます。1年目から(肩を)武器にしたいと思っていた」と強烈な“一芸”に胸を張った。指揮官は「田宮くんの(二盗阻止の)ボール見ました? オレ今までのプロ野球人生の中でもあの(送球の)低さ、上からなんかこう落ちずにそのままいったでしょ? すごかった。コントロールもいいし、リードもおもしろい。すばらしいキャッチャーになる」と賛辞を惜しまなかった。

 成田高(千葉)から18年ドラフト6位で入団し、高卒5年目の今季はファームで打率2割2分、1本塁打、22打点。22日の楽天戦(楽天モバイル)から今季1軍初昇格し、同戦でドラフト2位右腕・金村尚真とバッテリーを組んで、7回途中無失点で2勝目に導いた。

 現在し烈なホームラン王争いを繰り広げる万波中正、打線の主軸を担う野村佑希は高卒同期。「マンチューとジェイ(野村)は高卒野手で一緒で。ずっと入ってきた時から体の大きさも全然違ったりして、僕は絶対に出遅れるなって感じがしていた。その中でも自分のできることをやって『いつか追いつきたい』と思ってやってきた」と仲間が一足先に1軍で活躍する姿を刺激にしてきた。この日は共に1軍でスタメンに名を連ね「ずっとそういうふうに守りたいなと思っていた。それが最近できてきて、ちょっとうれしいです」。初アーチの直後には同期から「ナイスバッティング」と祝福され、思わず甘いマスクもくずれた。

 記念球は「両親にあげたい」と背番号64。右肘じん帯損傷など度重なる故障を乗り越えてたどりついた1軍舞台。個性に満ちた23歳が、シーズン最終盤に貴重な戦力として加わった。

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