ソフトバンク・森、4回途中97球の苦闘…五十嵐氏が挙げた“抑え経験者”特有の課題とは?
ベースボールキング
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2023.9.24(日) 07:34
ソフトバンクの森唯斗
◆ 「森らしく粘り強く投げてはいたけど…」ソフトバンクは23日、本拠地でのオリックス戦に1-6で敗戦。この1敗により借金生活へと転落し、4位・楽天には1ゲーム差に迫られてしまった。
先発した森唯斗は初回から22球を投じる不安定な滑り出しを見せると、1点リードで迎えた3回表には二死満塁から若月健矢に2点適時打を浴び、試合をひっくり返されてしまう。
なんとか後続を斬って1点差でこの回を終えたが、4回も一死から安打と四球でピンチを招いたところで降板。3.1回を投げて球数は97と苦しい投球となった。
チームもその後、中継ぎ陣も失点を喫して6失点で敗戦。同日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した球団OBの五十嵐亮太氏は「森らしく粘り強く投げていたんですけど……なかなか仕留められなかった」と苦戦に言及。
4回途中で100球近くを要した理由には「元々抑えをやっていたピッチャーが先発をやると、“常に良いボールを良いコースに投げたい”という意識が強くなってしまうんですよね」と語り、リリーフ経験者として持論を述べる。
象徴的なシーンとして取り上げたのが、初回の一死二塁で迎えた杉本裕太郎との対決だ。ここでは9球もファウルが飛び出すなど、粘られた末に14球目を振らせて空振り三振に仕留めたのだが、五十嵐氏は「打たれたくないという気持ちはもちろんあるんですが、あまりにもきっちりコーナーに投げ分けすぎた。なかなかバッターに“怖さ”を与えることができなかったですね」と振り返り、慎重になりすぎた点を課題に挙げた。
打者の反応を敏感に察知し、とにかく失点を避けようとする高い危機管理能力は長年に渡るクローザー経験の賜物だが、それが却ってこの日の森を苦しめてしまったのかもしれない。
五十嵐氏は最後に「雰囲気はあるピッチャーだし、先発としての打たせ方やスタイルを覚えればガラッと変われると思う。その辺に期待したい」と付け加え、悩める後輩にエールを送って締めくくった。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』