五十嵐亮太氏「最先端を行っている」 快挙達成の山本由伸が球界にもたらすもの
ベースボールキング
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2023.9.10(日) 06:44
祝福を受ける山本由伸 (C) Kyodo News
◆ 2年連続ノーヒッターは82年ぶり、2リーグ制後初オリックスは9日、敵地でのロッテ戦に4-0で勝利。2位との直接対決で連敗をストップしたほか、優勝マジックを「12」まで減少させた。
2年連続で投手四冠を達成しているオリックスの大エースが、またしても金字塔を一つ打ち立てた。先発した山本由伸は試合前の時点で5試合連続自責点0と好調を維持していたが、この日も初回からロッテ打線を手玉に取り、5回まで一人の走者も許さない完ぺきな投球を展開していく。
6回の先頭打者に四球を与えて完全試合こそ潰えるものの、味方打線の援護を背にテンポよく無安打投球を続け、最終回もあっという間に二死。そこから死球で走者は出したが、最後は藤岡裕大を二ゴロに仕留めて2年連続のノーヒットノーランを達成した。
9回・102球、四死球が1つずつ、奪三振8で無安打・無失点という圧巻の内容。これには同日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した五十嵐亮太氏も「疲れが溜まってきているこの時期にこのピッチングをするというのは、体力面を考えてもすごいですよね」とし、投球だけでなくタフさにも熱視線を送る。
また、投手タイトルを総なめにしてもなお投球フォームの改良を続け、やり投げなどの独自の練習を取り入れている点についても触れながら、「ふつうは過去の良い選手やその時に良い選手がどういったことをやっているのか、それを真似する傾向にあるんですが、彼は最先端を行っている」とコメント。
続けて「自分が生みだし、それを周りが真似するという形を作り出している。それって自分が考えていないとできないことですし、常に自分が向上するために周りの人とは違うことをしなければならないというのが根本にあるからこそ、これだけの進化を遂げている」と語り、あくなき探求心についても強調した。
さらに同じく番組に出演した大矢明彦氏も、今季から取り入れている新フォームに注目しながら「クイックはふつうセットでするものですが、この投手はほぼ足を上げずに全部クイックのように投げますよね。ピッチャーを教えるときに、“一度体重を軸足に乗せてからバランスよく前に踏み出して投げろ”と言わなくてもいい時代が来ているのかな」と新時代の訪れを実感したという。
同一選手による複数回のノーヒットノーラン達成が51年ぶり、それが2年連続となると82年ぶりで2リーグ制後初という記録ラッシュに加え、NPB通算では100度目というメモリアルな偉業を達成したオリックスのエース。
次は一体どんな夢を我々に見せてくれるのか、別次元の投球を続ける山本由伸の投球から、今後も目が離せない。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』