相手のミスで奇策が不発!? 高木豊氏が「やっぱり面白い」と語った新庄采配

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2023.9.9(土) 07:54

日本ハム・新庄剛志監督 (C) Kyodo News

◆ 計算外だった「柘植の落球」

 日本ハムは8日、本拠地での西武戦に0-6で敗戦。先発の上沢直之が中盤に崩れて一気に点差を広げられると、打線も相手投手陣の前に沈黙。投打とも振るわずに最下位脱出のチャンスを逃した。

 無得点で敗れてしまった日本ハムだったが、中盤には新庄剛志監督が“奇襲”を仕掛けるシーンもあった。両チーム無得点で迎えた4回裏、二死二・三塁で打席には奈良間大己というシーン。相手先発・平良海馬が3球目を投じた瞬間に二塁走者のアリエル・マルティネスが飛び出し、捕手から二塁へボールが送られると、挟殺プレーの末に三塁走者の清宮幸太郎がタッチアウトとなって先制のチャンスが潰えた。

 一見するとミスと思われるひと幕だが、同日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した笘篠賢治氏は「セカンドにスローイングさせている間に点を取りたかったということですよね」と解説。二塁走者が飛び出したのは作戦であり、そこから慌てて戻ることで捕手に二塁へと送球させて、その間にホームを陥れようという意図があったと推測した。


 ところが、高木豊氏が「計算が狂ったのが、柘植がボールを落としたんですよ」と語ったように、本来であれば捕手が飛び出した二塁走者に反応してすぐさま二塁に投げてしまい、ノーマークの三塁走者が一気にホームへという算段だったのが、西武の捕手・柘植世那は送球動作に入るところでボールを落球してしまう。

 ボールを拾い上げた後は一度冷静に走者の位置を確認するため、三塁走者の清宮は本塁突撃を自重せざるを得なくなり、二塁走者だけが二三塁間で取り残される格好に。相手にとっては災い転じて福、日本ハムにとってはアンラッキーな結末となった。


 これには高木氏も「日本ハムとしては“なんで落とすんや”っていう……」と思わぬ不運を受けた日本ハムサイドの心中を察しつつ、「あの手この手で攻めてくる新庄野球はやっぱり面白い」と指揮官のアイデアを称える。

 相手はこの試合の7回無失点で連続無失点イニングを「22」に伸ばす難敵・平良海馬とあって、真正面から打ち崩すのは容易ではない。そんな相手から点を奪うための“博打”に解説陣も熱い視線を送った。

 今回に関してはまさかの形で不発に終わってしまったが、相手に“こういうプレーもある”というイメージを植え付けることで、つぎに似たような場面を迎えた際に効いてくる可能性もある。新庄監督の“秘策”には引き続き注目だ。


☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』



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