ロッテ・小島和哉が“長いイニングを投げる”ことにこだわるワケ

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2023.9.4(月) 15:52

ロッテ・小島和哉(撮影=岩下雄太)

◆ 前回登板の日本ハム戦で7勝目

 「8、9回をしっかり投げてというのはマストだと思うので、まずは完璧ではないですけど、しっかり長くは投げられたので良かったです」。

 ロッテの小島和哉は前回登板の8月29日の日本ハム戦、8回・122球を投げ、5安打、7奪三振、無失点に抑え、今季7勝目を挙げた。

 前回登板の日本ハム戦を振り返ると、初回一死一、二塁で万波中正をインコースのストレートで見逃し三振に仕留めるなど、右打者、左打者にガンガンインコースを攻めた。「要所で投げる球がいいコースに行けたので、あれがまた一発で決まってこないとあれなんですけど、コントロールよく投げられたのかなと思います」と振り返った。

 4-0の6回二死走者なしで清宮幸太郎を1ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた139キロフォークも良かった。ペルドモ、種市篤暉からスライダーのアドバイスをもらった効果で、ストレートとカットボールの球速も戻ってきたが、前回登板ではフォークのスピードも上がっていた。「真っ直ぐもスピードが出ていましたし、カットもいつもより2、3キロ速かったです。右に投げるフォーク、左に投げるフォークのイメージは若干違うので、浮かないようにというのがスピードが上がっていたと。フォークはあれですけど、いい高さに投げられていたと思います」。

 これで小島は8月6日の楽天戦から4試合連続でクオリティスタート(6回以上3自責点以内)をクリア。夏場以降、長いイニングを投げ先発の役割を果たしている。


◆ 長いイニングを投げる!

 5日のソフトバンク戦でも、予告先発となっており、2週連続で週頭の火曜日での先発だ。近年、小島を取材していると『しっかりと考えて長い回を投げることを一番に考えてやっていきたい』、『“こいつならいくら投げさせても大丈夫だな”って思って投げさせるように頑張りたい』と、長いイニングを投げたいと口にすることが多くなった。

 長いイニングを投げたいと思うようになったきっかけ、こだわりなどあるのだろうかー―。

 「僕がローテ入った最初とか石川さんとかが長いイニングを投げてくれたおかげで、5回、6回でへたっても、中継ぎがつぎ込めて勝ちをつけてもらったような勝ち方をずっとしていました。それを今度は僕とかができれば、中森がチャンスをもらって投げられているので、楽な気持ちでまずは5回とかを考えて投げられる」。

 「また、僕とか種市が投げる試合は必ず勝たないと順位が上がっていかない。谷間で投げるような若い森、中森が投げるときに準備万端の状態で、それがチームで戦っていくことだと思うので、そういうことが理想論ですけど、そういうことができるようにと思ってやっています」。

 今季プロ5年目で7月に27歳になった左腕は、先発ローテーション投手としての自覚も出てきた。プロ1年目から指導する小野晋吾投手コーチも、「去年苦しい中で投げてなかなか勝ちがつかなかったことを経験しているので、気持ちの強さを去年の経験を生かされている。自覚、やらなきゃいけないと思って常にやってくれている。成長はすごく感じますね」と、小島の成長に目を細める。

 今週は敵地・PayPayドームで3位・ソフトバンク、週末は本拠地・ZOZOマリンスタジアムで首位・オリックスとの3連戦と、今後に向けて非常に重要な1週間になる。残り試合数も27試合と30試合を切り、負けられない戦いが続く。「あと3つで二桁に乗りますし、まずは大事な試合だと思うので、100%でいけるように準備して頑張りたいです」。3日に開幕からブルペンを支えていた西村天裕が一軍登録を抹消されるなど、リリーフ陣の台所事情が厳しくなっている。小島が1イニングでも長く投げ、チームを勝利に導きたい。

取材・文=岩下雄太

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