
今季限りで15年の現役生活にピリオドを打ち、来季からはロッテの2軍投手コーチとして後進の指導にあたる美馬学氏(39)は「これまで支えてくださったファンの皆さま、指導者の方々、チームメート、そして家族に心から感謝しています。恩返しの気持ちを胸に、これからは選手たちの成長をサポートし、チームに貢献できるよう全力を尽くしたいと思います」と新米コーチ業に決意を新たにした。
169センチ、75キロと小柄ながらも楽天、ロッテで先発ローテの一角を任されて、強打者に真っ向勝負を挑んだ。「身長など、いろいろな劣等感の中で野球をやってきた。とにかく負けたくない、大きい人に勝ちたい、という反骨心は常に持ってやってきた」と振り返る。プロ入り後に6度も受けた右肘手術は通算80勝を挙げた名誉の勲章でもある。
引退試合となった9月30日の楽天戦(ZOZO)では、浅村との1打席勝負で空振り三振を奪うも、3球目で右肘屈筋共同腱を断裂していたことが翌日判明した。最後まで故障に泣いたが「けがをしてたくさん立ち上がってきたので、けがをしても諦めずに戦ってほしいと今の若い選手に伝えたい。諦めなかったからここまでできたので」と前を向く。体格に恵まれなくても、故障があっても、成功への道はきっとある。若手に寄り添って、その道を一緒に歩く覚悟だ。(阿見 俊輔)
◆美馬 学(みま・まなぶ)1986年9月19日、茨城県生まれ。37歳。藤代から中大、東京ガスを経て10年ドラフト2位で楽天入り。13年の巨人との日本シリーズでは2勝を挙げて日本一に貢献し、MVPを獲得。19年オフ、FAでロッテに移籍した。通算成績は267登板で80勝88敗、防御率3・94。169センチ、75キロ。右投左打。
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