ロッテ・東條、日本ハム打線の勢いを止める好リリーフ

ベースボールキング

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2023.9.1(金) 10:11

ロッテ・東條大樹(撮影=岩下雄太)

○ ロッテ 6 - 4 日本ハム ●
<22回戦・ZOZOマリンスタジアム>

 ロッテ・東條大樹が8月31日の日本ハム戦、相手の勢いを止める見事な好リリーフを見せた。

 4-3の5回に先発・メルセデスが二死一、三塁から上川畑大悟にセンター前に同点の適時打を浴び、なお二死一、二塁という場面で東條がマウンドに上がった。その東條は、野村佑希を1ストライクから2球目の131キロスライダーで一邪飛に打ち取り、ピンチを脱した。

 6回から登板した澤田圭佑、西村天裕がきっちり3人ずつで片付けると、7回裏に代走・和田康士朗の好走塁で勝ち越し。1点リードとなった8回はペルドモ、6-4の9回は守護神・益田直也がしっかりと3人で仕留め試合を締めた。6回以降、ロッテリリーフ陣は日本ハム打線に許した安打はゼロ。傾きかけた日本ハムへの流れを完全に止めたのは、ピンチの場面で役割を果たした東條の働きが大きい。

◆ 3試合連続無失点投球中

 東條は昨季シーズン途中から勝ち試合の7回を任されるなど、自己最多の59試合、30ホールドの活躍を見せたが、シーズン終了後の昨年10月4日に右足関節の手術(鏡視下右足関節後方遊離体切除術・鏡視下右足関節外側骨棘切除術及び外側靭帯修復術)を行った。

 練習試合、オープン戦から一度も一軍登板がなく、開幕からファームで過ごした。8月2日に今季初昇格を果たすと、同日の日本ハム戦、5-8の6回に登板。「いい感じで入れたのかなと思います」。先頭の松本剛を1球目、2球目ともに147キロのストレートで追い込み、最後は外角131キロのスライダーで空振り三振。続く清宮幸太郎を1ボール2ストライクから4球目の147キロストレートで空振り三振、万波中正を2ボール1ストライクから4球目の147キロストレートで一邪飛。

 「どっちも良くなったから、相乗効果でさらに良くなったというのはあると思います。片方良くなって、もう片方良くなって、どんどん良くなったというのはありますね」と、力強いストレートと右打者に外角のスライダーで牛耳った。

 8月4日の楽天戦では5-3の9回に登板。昨季は勝ち試合で投げていたとはいえ、勝ち試合の9回のマウンド。7回、8回との違いや、緊張感などはあったのだろうかーー。

 「あの時は特にそんな感じなかったですね。いつも通り入れたというのはあります」。

 先頭のフランコを131キロ外角に逃げるスライダーで空振り三振、続く西川遥輝を131キロのスライダーで見逃し三振、代打・辰己涼介を1ストライクから2球目の137キロシンカーで一ゴロに打ち取り、プロ初セーブを記録。

 ブルペンを担当する小野晋吾コーチは同日の楽天戦の東條の投球に、「ちょっとイレギュラーなこともあって準備がえらい早いな、緊張しているのかなと思うところはあったのですが、ちょっと東條が勘違いしていたというか、それで準備が早くなったというのはありました。でも、そこからしっかりいつも通りの準備で9回も変わらずにいいピッチングをしてくれました」と評価した。

 東條は続く8月12日の西武戦から3試合連続失点があったものの、8月25日のオリックス戦から3試合連続で無失点投球中。

 昇格直後の取材で東條は「全部やりたいですね。イニングの途中も1イニング投げるのも、2イニング投げるのも全部できるようになりたいというのはあります。それは結構、理想としていますね。任されたところを全部抑えられるように」と話していた。その中で、31日のオリックス戦ではイニング途中から登板し見事な火消し。残り試合数が30試合となった中で、勝ち試合、イニング途中、ロングリリーフなど、与えられた役割を全うしていく。

取材・文=岩下雄太

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