【日本ハム】福田俊 満塁で今季初登板、全球直球勝負で火消しに成功

スポーツ報知

  • ニュース

2023.6.12(月) 11:22

今季初登板で2死満塁のピンチをしのいだ日本ハム・福田(カメラ・中島 傑)

◆日本生命セ・パ交流戦 日本ハム0―1阪神(11日・エスコン)

 日本ハム・福田俊投手(26)が11日の阪神戦(エスコン)で今季初登板し、火消しに成功した。5回2死満塁でマウンドに上がり、カウント3―0から全球直球勝負で空振り三振。新球場から車で5分の距離にある、星槎道都大で4年間を過ごした道産子左腕が、両親も見守る前で“凱旋(がいせん)”を飾った。チームは6度目の完封負けで今季初の同一カード3連勝ならず。12年以来11年ぶりの阪神戦“スイープ”を逃した。

 湧き上がる力を、左腕に込めた。5回2死満塁、カウント3―2。「0で帰るのが中継ぎの仕事」。福田俊は、気迫全開の内角低め直球でハーフスイングを誘った。昨季までの同僚・渡辺諒を空振り三振。腹の底から吠(ほ)えた。

 オープン戦でも投げたことのなかった新球場。今季初登板は四球も許されない、しびれる局面で巡ってきた。「一つのアウトがすごく遠かった」。緊張からいきなり3ボールになった。それでも「気持ちで絶対抑える」と開き直った。「直球破壊王子」の異名を持つ渡辺諒をそこからオール直球勝負で封じた。対戦打率に懸け、対右でもマウンドを託してくれた新庄監督の期待にも応えた。指揮官は「ノースリーにはしてほしくなかった。まあいいじゃない。今日のヒーローだから」とニッコリ笑った。

 エスコンのご近所、星槎道都大で4年間を過ごし、プロ入りをつかんだ。開幕は2軍スタートも「モチベだった」と縁深い地での活躍を思い描き、徹底的に球のキレを磨いてきた。ファームでは救援で13回2/3を17奪三振、防御率1・32。9日に初昇格が決まった。

 「ゆかりある地でまた野球ができる。このマウンドで投げられるのは幸せなこと」。当時のランニングコースや景色は懐かしかった。「人が多すぎ」と時の流れも感じた。実家に顔を出すと、家族は温かく応援してくれた。スタンドで見守る両親の前で、恥ずかしい投球はできなかった。「今年ダメなら僕は終わり。野球やってる以上、ここ(1軍)で投げないと」。今季に懸ける26歳が、5年目の“開幕”を鮮やかに踏み出した。(堀内 啓太)

 〇・・・北山は4回2/3を1失点に抑えるも与四球は6。制球の乱れから満塁のピンチが2度あった。「点にはならなかったがリズムやテンポが。野手に流れを持っていけなかったのがダメだった」と振り返る苦しい内容となった。建山投手コーチから「いい投球をする時はするが、制球が定まらないのが課題」と指摘された右腕は「今は成長するために取り入れていることもある。結果を出すことと並行しながら、どっちもいい形で進んでいけたら」と向上への糧としていく。

関連ニュース

【日本ハム】清宮幸太郎が13日・DeNA戦から1軍合流 石井一成も復帰…福田光輝、奈良間大己が降格
【日本ハム】清宮幸太郎が13日から1軍昇格へ 新庄監督「横浜から上げようと。シュッとしてた」
【日本ハム】11年ぶりの阪神戦3連勝ならず 投手陣が10四死球…打線も2度の犠打失敗など無得点
【日本ハム】今季初登板の福田俊が火消し成功 2死満塁で昨季まで同僚・渡辺諒を空振り三振
【日本ハム】伏見寅威、移籍第1号&好守で2連勝導く…交流戦首位タイ浮上

記事提供:

スポーツ報知