ロッテ・茶谷「頑張りたい」恩師阪神・今岡コーチの前で恩返しの一打に期待

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2023.6.3(土) 16:01

ロッテ・茶谷健太

 「恩人なので、今岡さんにお会いできれば、まずはご挨拶できるように頑張りたいと思います」。

 ロッテの茶谷健太は交流戦前の5月17日に行った取材で、18年から4年間ロッテで二軍監督、一軍ヘッドコーチを務め、現在は阪神の一軍打撃コーチ今岡真訪コーチとの交流戦での再会を楽しみにしていた。そして、今カードは敵地・甲子園での阪神戦だ。

 茶谷がソフトバンクを自由契約となり、ロッテに育成選手として入団した2019年当時ロッテで二軍監督を務めていたのが今岡コーチだ。

 茶谷は入団1年目の19年3月の春季教育リーグでは途中出場が多く、数少ない打席でチャンスアピールしていくしかない立場だった。代走で出場した3月6日の日本ハムとの教育リーグでヒットを放つなど、必死にアピールし、二軍の開幕戦となった3月16日の西武戦に『9番・一塁』で先発出場を掴み取り、移籍後初安打を放った。

 「ホークスからマリーンズにきて、いきなり二軍といえども開幕戦で使っていただいて、正直ファーストでミスをしたんですけど、今岡さんに使っていただいたというのが、自分のなかでは感謝しているところです」(20年1月23日取材)。

 4月が打率.266(94-25)、5月が.254(63-16)、6月が.311(61-19)と尻上がりに調子をあげ、前半戦は打率.282、4本塁打、29打点の成績を残し、フレッシュオールスターにも出場した。支配下選手登録へアピールしていた中で、同年7月14日にレオネス・マーティン外野手の獲得を発表。この時点で支配下登録の枠数が70人となり、シーズン中の支配下登録選手になることが叶わなくなった。

 「一瞬、あっていう時期がありましたけど、本当に今岡さんに出させてもらっていたというのが一番。本当に嬉しくて恩返しできているかわからないですけど、それに対して恩返しをするという目標でずっとやってきた。そこがモチベーション、恩返しという気持ちでやりました」(19年11月13日取材)。

 茶谷は腐ることなく、7月31日の巨人二軍戦で、サヨナラ2点適時二塁打を放てば、8月3日の楽天二軍戦でも1点を追う9回二死一、二塁の場面で、左中間を破るサヨナラ2点適時打を放つなど、今岡二軍監督(当時)の期待に応えようと必死だった。8月後半から9月前半にパタリと当たりが止まった時期もあったが、最終的には打率.271、6本塁打、48打点でシーズンを終え、19年12月25日に支配下選手登録となった。

 茶谷は支配下選手となった20年に一軍で31試合に出場したが、今岡コーチが一軍のヘッドコーチとなった21年は春季キャンプ初日に『右足ハムストリングスの肉離れ』で離脱。「一軍の舞台で結果を出して、恩返しになるかはわからないですけど、そういうふうには思っています」と話していたが、結局同年、一軍に出場することなく、今岡コーチも同年限りで退団となった。

 昨年は開幕二軍スタートも、6月は二軍で14試合に出場して、月間打率は.412(51-21)、試合数を大きく上回る18打点をマークし、満を持して6月21日に昇格すると、9月2日のオリックス戦以降、全25試合ショートでスタメン出場しシーズンを終えた。移籍5年目の今季は初の開幕一軍を掴み、5月17日と18日のオリックス戦では4番で出場するなど、打線に欠かせない存在になった。ロッテに入団してから年々、力をつけてきている。“打つこと”で阪神ベンチにいる今岡コーチに恩返し、成長した姿を見せたいところだ。

取材=岩下雄太

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