ロッテ・西野勇士「やりたいことはやれている」先発に転向し今季ここまで3戦3勝!

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2023.5.2(火) 08:38

ロッテの西野勇士(撮影=岩下雄太)

◆ 先を見据えた準備

 「やりたいことはやれているかなという感覚はあります。防御率とか数字的にはあんまり良くないですけど、試合運び、そういう部分では全然問題ないのかなと思っています」。

 ロッテの西野勇士は今季ここまで3試合・18イニングを投げて、リーグトップの3勝、防御率は3.50という成績を残している。

 20年6月29日に右肘のトミー・ジョン手術を受け、一軍に本格復帰した昨季はリリーフで37試合に登板して、3勝3敗15ホールド、防御率1.73と安定した投球を見せた。

 「先発のつもりで調整してきているので、今は先発の気持ちでいます」。

 春季キャンプ中の取材でこう話していたように、シーズンオフの自主トレでは先発で投げるための準備を進めてきた。西野は先発の転向で、練習試合から“結果”を求められる立場ではあったが、シーズンに向けて意図を持って実戦で投げているように見えた。

 例えば、4回を無失点に抑えた2月23日の日本ハムとの練習試合では、「とにかく一つ一つの変化球と真っ直ぐと、調整期間なので、課題を持って、どうしたらいいのかというのをしっかり調整していました」と、スライダー、カーブを投げていたが、武器であるフォークをほとんど投げていなかった。

 3月21日の広島とのオープン戦では、「最初出だし調子が良くなかったというのもあって、カウント取れる球とかそういう部分を考えて投げたという感じですね」と、初回ストレート中心の配球も、2回以降は変化球中心の投球で5回を1失点にまとめた。

 先発の枠を勝ち取るためのアピールしながら、同時にシーズンを見据えた準備も進めてきたのだ。


◆ 開幕から3戦3勝

 開幕してからはホーム開幕戦となった4月4日の日本ハム戦の先発を務め、5回4失点で今季初勝利を手にすると、12日の西武戦では6回3失点で2勝目。そして前回登板の4月22日のソフトバンク戦では3回までパーフェクトに抑えるなど、7回2安打無失点で今季3勝目をマークした。

 22日のソフトバンク戦では、0-0の2回一死走者なしで栗原陵矢を空振り三振に仕留めたインサイドの147キロストレート、3-0の6回二死走者なしで近藤健介を見逃し三振に仕留めたインサイドの145キロストレートなど、左打者へのインサイドのストレートが抜群に良かった。

 「コントロールができているので、どの球種でもカウントが取れているし、この3戦、全部そういう感覚で投げられている。このまま普通に投げていけばいいのかなという感じですかね」。

 佐々木朗希、小島和哉、メルセデス、種市篤暉らと共に先発陣を引っ張る西野。「とにかく今の状態を維持しながら、怪我せずに投げていけたらいいなという感じですね」。西野は2日の楽天戦(楽天モバイルパーク)に今季4勝目を目指し先発する。

取材・文=岩下雄太

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