“水曜日のマリーンズ” 昨年8月24日の西武戦に勝利してから水曜日は9連勝

ベースボールキング

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2023.4.27(木) 10:40

ロッテの選手たち(C)Kyodo News

○ ロッテ 2 - 1 西武 ●
<5回戦・ZOZOマリン>

 “水曜日のマリーンズ”。

 ロッテは26日の西武戦に2-1で勝利し、昨年8月24日の西武戦に勝利してから“水曜日”の公式戦連勝は「9」となった。

▼ 水曜日9連勝戦績
<2022年>
8月24日vs西武(◯5-2)
8月31日vsソフトバンク(◯3-0)
9月7日vs西武(◯7-1)
9月14日vs日本ハム(◯8-1)
9月28日vs日本ハム(◯11-3)

<2023年>
4月5日vs日本ハム(◯2-1)
4月12日vs西武(◯5-3)
4月19日vs日本ハム(◯4-3)
4月26日vs西武(◯2-1)

 昨年8月24日の西武戦といえば、福田秀平の魂の守備で勝利した試合だ。2-2の7回無死一塁で森友哉(現オリックス)がライトフェンス際に放ったあたりをライト・福田秀平がフェンスに激突しながらキャッチ。起き上がることができなかったが、すぐにセンター・髙部瑛斗にボールを投げ、ボールを受けた髙部が中継の二塁・中村奨吾に送球。二塁を狙った一塁走者を刺そうと中村はセカンドベースに入ったショート・小川龍成に送球しダブルプレーが完成。

 福田の好守備の時に投げていた唐川は当時、「もしあれが抜けていたりとか、1つしかアウトを取れていなかったら、全然結果も変わっていたと思います。すごくビッグプレーだったと思います」とチームの士気を高めた福田の好守備に感謝した。

 その裏、二死一、二塁から井上晴哉が2点適時二塁打で勝ち越し。福田秀平のガッツ溢れるプレーをきっかけに、流れを呼び込み勝利した試合から現在まで水曜日は負けていない。

 試合を26日の西武戦に戻すと、先発・小島和哉が初回に先制点を許すも、2回に一死走者なしから安田尚憲が先発・隅田知一郎の初球を捉え、左中間を破る二塁打で出塁。続く佐藤都志也がライトライン際に鋭い当たりの適時二塁打で同点に追いついた。佐藤は二塁ベース上で今季得点を取った後に色々な選手が行っている、右手でユニホーム胸のMを叩き、左手を突き上げるポーズ。安田によるとこのポーズは「大下さんが持ち込んで、みんなでやっている感じです」と、現役ドラフトで今季から加入した大下誠一郎の発案で、それが他の選手たちに浸透していると教えてくれた。

 2回以降立ち直った小島は7回・98球、6安打、6奪三振、1与四球とゲームを作る。小島の好投をなんとか“勝利”という形にしたい打線は7回裏、先頭の代打・角中勝也がレフト線に二塁打を放ちチャンスメイク。二塁代走として岡大海が登場する。岡は平沢大河の内野安打で三塁に進み一死一、三塁となり、続く友杉篤輝が強引にバットに当て一塁へ転がったコロで、三塁走者の岡はスタートを切りホームにヘッドスライディングで勝ち越しに成功した。

 岡は“1つ先の塁”を狙う走塁について、昨年9月に行った取材で「1つ先というのは常に狙っていますし、向こう(相手)の送球、少し高い隙、小さなミスを見逃さないようにそこを突かれたら向こうもダメージがありますし、勢いがつく走塁だと思うので、そういうのは大事にしています」と話していた。常日頃から“1つ先の塁を狙う”姿勢が得点に結びついた。

 1点リードすれば8回・澤村拓一、9回・益田直也が走者を出しながらもゼロに抑えて逃げ切り、“水曜日に強いマリーンズ”は継続だ。

 ロッテはソフトバンク戦に3連勝し、勢いに乗った中で25日の西武戦に3-5と敗戦したが、連敗することなくしっかりと勝利した。開幕3連敗スタートとなったが、それ以降は連敗が1度もない。これまで何百回も述べているが、ロッテは好不調の波が大きいチーム。連敗しなかったことに大きな意味がある。小さな積み重ねの先に、歓喜の瞬間が待っている。

取材・文=岩下雄太

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