西武・今井の完封劇に女房役の気遣い光る 大矢氏「あの間が良かった」
ベースボールキング
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2023.4.14(金) 06:59
完封勝利し抱き合う西武の今井(左)と柘植(右)
◆「良い投手」から「強い投手」に西武の今井達也投手が13日、ロッテ戦で9回138球2安打5四死球11奪三振の快投を見せ、自身2年ぶりの完封勝利をマークした。
初回、リーグ打率トップの藤原恭大を見逃し三振に抑える上々の立ち上がりを見せた今井は、7回終了までロッテ打線にヒットを許さぬ好投。8回一死から安田尚憲に左前安打を許し、ノーヒットノーランの夢は絶たれたが、後続を連続三振に斬り得点は許さず。最終回は一・二塁のピンチを招くも、4番・山口航輝を三振、続くポランコを力ない一飛に打ち取り、2019年以来の試合開催となった大宮の空に右腕を突き上げた。
同日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した解説者の大矢明彦さんは、今井について「良かったのはやはり打者に常に向かっていったところ。ストライク先行で、打者にしてみたら常に押されているような感じのピッチングができた」と分析。
番組MCを務めた野村弘樹さんは「“良いピッチャー”から“強いピッチャー”になったように見える」と話すと、大矢さんも「(今までは)崩れると早いイメージがあったが、今年は特にバランスよく自分を抑えながら投げるというところが最初からできているので安定感がある」と頷いた。
同じく解説者の達川光男氏は「僕は(背番号)11番の今井しか知らないんですよ。48番に変わって、作新学院の今井が戻ってきた感じですね。なにも怖がることもなく、どんどん自分の球を信じて投げるというね。11番を付けてた時はコントロールを気にしていたような気がする」と、夏の甲子園で全国制覇した高校時代の姿を照らし合わせていた。
また、解説陣は今井が試合後のヒーローインタビューで感謝を口にしていた女房役・柘植世那捕手についても熱視線を送り、7回の先頭打者に際どいボールで四球を与えてしまった直後、今井のもとに歩み寄り間を取った柘植のインサイドワークを評価。
大矢さんは「ピッチャーは気持ちが揺れてくる可能性があるんですよ。そこで柘植が今井のところに行って間を取ったことで、この回ノーアウトでランナー出しましたけど、しっかりと抑えきれたんです。あの間をピッチャーに与えて冷静にさせたところは良かった」と振り返り、達川さんも「FAで出ていったキャッチャー・森(友哉)の穴は埋めましたね」と、ディフェンス面に不安なしと称賛した。
今井&柘植バッテリーの見事なコンビネーションで掴んだ完封勝利。今季は2人で何勝を挙げるのか注目だ。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』