【ソフトバンク】12球団初の4軍が本拠地開幕戦 第2の千賀ら育成への新たな挑戦

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2023.4.3(月) 19:24

本拠地開幕戦に敗れ、ファンにあいさつするソフトバンク・小川史4軍監督(右から3人目)ら

◆4軍交流戦 ソフトバンク2―5宮崎サンシャインズ(3日・タマ筑後)

 ソフトバンク4軍が本拠地開幕戦を迎え、独立リーグの九州アジアリーグに所属する新設球団の宮崎サンシャインズに球団初勝利を献上した。

 先発10人(投手含む)のうち9人が育成選手。4回に石塚の左越えソロで先制したが、4回から登板した二刀流・小林が5回に同点とされ、6回には3点を失った。その裏には伊藤が左越えソロを放つも、反撃はここまで。ドミニカ出身の16歳・オスーナが6回に代打で投手強襲の内野安打をマークするなど奮闘したが、これで4軍は2勝3敗となった。

 小川4軍監督は「相手の方がこの試合に勝つという気持ちが強かったと思いました」と吐露し、「矛盾しているようだけど、1軍は勝つために選手を選んで出すじゃないですか。4軍は勝つための選手を選んで出すんではなくて、と思っています。いろんな選手を出したい。でも、負けていいという気持ちでは試合させたくないなとはずっと、前の3軍(監督)の時から思っています」と複雑な胸のうちを明かした。

 チームは今季から12球団初の4軍制を導入。支配下選手67人、育成選手54人の計121人を抱える大所帯となった。今季は3、4軍合わせて約230試合(3軍が約140試合、4軍が約80試合)を想定。対戦相手は独立リーグのチームや大学生も含まれている。昨年11月30日の4軍制発表会見で三笠GMは意義を説明した。

 「2010年から、ホークスは3軍制を開始しまして、『育成のホークス』ということで、千賀くん(現メッツ)のような世界を代表する選手が育ってきました。主軸になっている選手がこの育成環境から育っているということ、育成出身の支配下選手数は12名と12球団ナンバーワンというところですから、これをさらに発展させるということで今回4軍制の導入に至りました。選手の育成環境としては、従来の監督、コーチによる選手の指導というものに加えて、投手と野手に1名ずつコーディネーターを配置しまして、どの軍にいても統一した育成方針に基づいて育成するということだったり、従来から取り組んでいますが、データサイエンスを充分に駆使した選手育成。トレーニングやコンディショニング、食事と栄養面、けがの予防を含めて、昨今いろんなオリンピックスポーツとかはそういうところを総称してハイパフォーマンスユニットと呼んだりしてますが、コーディネーター、データサイエンス、ハイパフォーマンスの3点を重視しながら1軍から4軍までの選手の指導と育成方針をサポートしていくというような方向で考えています。『筑後から最強軍団になる』ということを追求して、世界一のプロ野球チームになるということを目指して取り組んでいきたいと思います」

 現状、故障者が出ている影響で、きっちり3軍と4軍のすみ分けができているわけではないが、「本当だったら3軍は試合の中で高めていくし、4軍の場合は一週間に2、3試合で後は練習で技術も体力もつけてというすみ分けをしていくけど」と指揮官。体のできていない高卒新人の土台作り、育成選手の増加に伴う3軍戦の出場機会減少も考えると、4軍制のメリットは大いにある。

 10年育成ドラフト入団組には千賀、甲斐、牧原大と3軍から日本代表まで上りつめた選手がズラリ。育成力の高さを示している。しかし、3軍創設時の3軍監督でもある小川4軍監督は「なかなかイコールという感じで捉えるのは難しいですね。環境も世代も違うから」と言う。当時の選手たちと「Z世代」の選手とでは感受性が異なる。今季は支配下選手の上限70人までは残り3人だが、その狭き門を強烈に意識できているのか―。恵まれた環境の中でも、当時甲斐が見せていたという強烈なハングリー精神も必要になってくるだろう。

 「常勝」と「育成」の両立。どの球団にとっても永遠の課題ではあるが、その先頭をホークスが突き進んでいく。

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