【オリックス】杉本裕太郎、1号2ランで13年ぶり開幕連勝導いた「めちゃくちゃホッとしています」

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2023.4.2(日) 06:05

1回2死一塁、左越えに2ランを放ちベンチ前で昇天ポーズを披露する杉本裕太郎(中央)(カメラ・小泉 洋樹)

 杉本は正直だった。「めちゃくちゃホッとしています」。前夜の開幕戦は「あと1死」から追いつき、延長10回勝ち越し。「昨日打てなかったので早く1本を」と初回から集中した。2死一塁で昨季2打数2三振だったエンスとの対戦。自身の課題とされた内角直球を叩くと、思いのこもった打球が左翼最前列に吸い込まれた。

 今季初安打が先制の2ラン。21年のレギュラー定着後、開幕2試合目での1号は最速だ。日頃からファンを大切にし、声出し応援の解禁を誰よりも待っていた一人。初回1死一塁の守備で右飛を処理すると「ハーフ(ウェー)、ハーフ」と一塁走者の位置を伝える親切な声が聞こえてきた。

 9回には左翼線へダメ押しの適時二塁打も放ち、2安打3打点と4番の仕事。アーチ後の昇天ポーズにも一体感が増し「すごく助かりました。誰か分からないんですけど、そういう声をもっとお願いします」と冗談交じりに“募集”した。

 昨年も開幕4番に座り、同じ西武3連戦で1安打に終わった。一時は打率1割を切り、打順も8番まで経験した。「ラオウに一発、一本が出たというのが本当にいい流れになると思う」とスロースターター返上の気配を感じ取ったのが中嶋監督。指揮官によるマジックも、早速決まった。

 昨季組んだオーダーは141通り。この日も劇的勝利の開幕戦から7つの打順とポジションを変更し、若月を初体験のDHで起用した。「エイプリルフールかなと思って…」と仰天したプロ10年目捕手もきっちり2安打。FAで加入した森の控えとしてではなく、おいしい空気を吸わせた。チームは13年ぶりの開幕2連勝スタート。恐ろしいほどかみ合っている。(長田 亨)

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