“常勝軍団”を掲げるロッテ 3年後開催予定のWBC代表入りを期待したい男たち
ベースボールキング
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2023.3.24(金) 09:36
侍ジャパンの一員として世界一に貢献したロッテ・佐々木朗希
『2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™』(WBC)の第5回大会は、日本代表が第2回大会以来となる世界一に輝き閉幕した。日本代表にはダルビッシュ有(パドレス)、大谷翔平(エンゼルス)、吉田正尚(レッドソックス)、ラーズ・ヌートバー(カージナルス)といったメジャー組に加えて、山本由伸(オリックス)、村上宗隆(ヤクルト)といった国内組の活躍もあり世界一の栄冠を掴み取った。ロッテからも佐々木朗希が日本代表の一員として、WBCに2試合に先発。WBC初登板となった3月11日の1次ラウンド第3戦・チェコ戦では最速164キロを計測するなど、3回2/3を投げて2安打、8奪三振、1失点に抑えれば、舞台をアメリカに移しローンデポ・パークで行われた準決勝・メキシコ戦でも先発した。優勝した2019年のプレミア12、金メダルを獲得した2021年の東京五輪では、残念ながらロッテから日本代表の選手が1人も選ばれなかったが、今回のWBCでは佐々木朗希が“日本代表”の一員として世界一に大きく貢献したことはとても誇らしいことだ。
次回のWBCは2026年3月に開催予定となっている。ロッテはチームビジョンとして、“常勝軍団”になることを掲げている。今年からの3年間で“期待”の若手選手たちが、“期待の若手”を卒業し、“チームの顔”になれる選手が1人でも増えれば、球団としては“Vision2025”の実現、2026年のWBCではロッテから多くの選手が日本代表のユニホームに袖を通すことができているはずだ。
ロッテには佐々木朗希をはじめ、魅力的な選手が多くいる。昨季チーム最多の16本塁打を放ち2月の練習試合から本塁打を量産する山口航輝がその1人。山口は「こう打てばいい感じに打てるというのは調子が良い時はポイントがわかるようになってきたかなと思います」と、どのようにすれば本塁打を打てるか、自身の中で感覚、ポイントを掴んだ。目標に掲げるシーズン“30本塁打”を達成し、今季から3年連続で30本塁打以上打てば、特に右打ちの外野手、右の長距離砲が不足しており、3年後、代表に選出されていることは間違いない。
プロ3年目の昨季盗塁王となった髙部瑛斗は“足”だけでなく、守っても昨季はパ・リーグの外野手部門最多得票でゴールデン・グラブ賞を受賞し、打ってもリーグ2位の148安打をマーク。髙部は今季に向けて「打撃のタイトルを狙っていけるような位置まで持っていきたい」と意気込み、今年からの3年間で打撃タイトル争いの常連になれば、走塁、守備力の高さは証明しており、日本代表に大きく近づくだろう。
投手も期待の若手が多い。その中でも、種市篤暉が今季からの3年間でチームで、そして日本球界でどのような立ち位置まで登っていくか注目。高卒3年目の19年にチーム最多の8勝を挙げ、翌20年にはプロ初完封勝利、一時リーグ最多の奪三振数を記録したが、同年9月に右肘をトミー・ジョン手術。今季に向けて、春季キャンプ中の取材で「僕の中ではローテを目指して1年間守り抜ける技術、体力、このキャンプでつけて1年間頑張りたい」と誓った。種市は、3月7日に行われた強化試合の侍ジャパンサポートメンバーに選ばれ、日本代表のユニホームを着てプレーした。憧れの存在であるダルビッシュをはじめ、球界を代表とする選手たちと一緒に過ごしたことで、得たものは大きいはず。新人時代から変わらず向上心があり、24時間365日野球のことを考えることができる。この3年で“進化”した姿を見せてくれるはずだ。
今回の侍ジャパンでは佐々木、宮城大弥(オリックス)、高橋宏斗(中日)といった20代前半の投手たちの躍動も目立った。プロ入り2年間で一軍登板はないが、高卒3年目の中森俊介も3年後に代表に入っていてもおかしくないだけの能力を持っている。ストレートは真っスラ気味に動き、このオープン戦では落差の大きいフォークで空振りを奪う。まずはこの1年で一軍で結果を残し、来年、再来年に繋げていきたい。
そのほかにも野手では平沢大河、佐藤都志也、安田尚憲、藤原恭大、西川僚祐、山本大斗、松川虎生、金田優太、投手では小島和哉、小野郁、岩下大輝、菊地吏玖、秋山正雲など期待の選手は多くいる。現在育成選手の村山亮介や古谷拓郎なども、数年以内に支配下選手となり、一軍で活躍している可能性もある。2023年の3月現在、『何を言っているんだ』と野球ファンから笑われそうな夢のような話だが、彼らが成長した時に、“常勝軍団”、日本代表でマリーンズ戦士が躍動する姿が見られるはずだ。3年後に開催予定のWBCで、1人でも多くマリーンズから代表に選ばれることを期待したい。
文=岩下雄太