【侍ジャパン】山本由伸「すごく良かった」2回まで完全WBC初登板初先発4回0封8K圧巻60球

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2023.3.13(月) 00:33

2回を投げ終えて、大きな声を出しながらグラブを叩く山本由伸(カメラ・竜田 卓)

◆カーネクスト2023 WBC東京プール ▽1次ラウンドB組 オーストラリア1―7日本(12日・東京ドーム=観衆4万1664)

 「カーネクスト2023 WBC東京プール」1次ラウンド(R)で日本がオーストラリアを7―1で破り、4戦全勝で1位突破を決めた。エンゼルス・大谷翔平投手(28)が初回に待望のWBC1号。東京Dの右中間にある自らの看板を直撃する、推定飛距離140メートルの特大3ランを放った。先発のオリックス・山本由伸投手(24)は4回1安打、8奪三振の完璧な投球を披露。日本は16日の準々決勝(東京D)でA組2位のイタリアと対戦する。

 静かに充実感に浸った。大谷に負けじと、この日の山本もスゴかった。「無失点で抑えられて、チームも勝てた。すごく良かったと思う」。二刀流からダルビッシュ、佐々木朗と続き、1次Rの大トリでWBC初登板初先発。4回1安打無失点と圧巻の60球で勝利投手となった。

 試合前に準々決勝進出が決まった。「チームの流れに乗って、プレーしようと思った」。開始早々に3点の援護をもらい初回、2回とパーフェクトだった。3回1死からパーキンスに初安打。「極端に言えば、ヒット1本すら打たれたくない」とひそかに掲げていた究極の目標は達成できなかったが、仕事に集中した。

 高めの直球を活用すること―。3回1失点だった6日の阪神戦(京セラD)でダルビッシュが助言してくれた。「低め、高めとバランス良く投げられた。感謝しています」と無四球で佐々木朗らと並び、今大会最多の8奪三振。最速155キロの直球とカーブ、フォークを軸に、主導権を握った。最後は新人の17年に1年だけ同僚だったジョージをフォークで空振り三振。自在にアウトを奪った。

 「どこまでも伸びるストレート」を理想とし、今年から左足をほぼ上げない新フォームを取り入れた。自分を信じ、前へ進んだ。「自分がしたことは10割、自分に返ってくる。決して人のせいにしてはいけない」。毎年1月の自主トレで顔を合わせているのが、17年の前回大会で4番を務めた筒香(レンジャーズ)。まだ山本が花を咲かせる前、そっと贈ってくれた言葉を大事にしてきた。

 日本が世界一を達成した06、09年は小学生だった。授業が止まり、全員が教室のテレビにくぎ付けになった。プロ野球選手の夢をかなえ、昨年は沢村賞やパMVPなど2年連続で個人タイトルを独占。大会前の実戦では2試合とも失点したが「この公式戦に向けて投球してきた」ときっちりと本番へ合わせてきた。

 今年1月、メンバー入りが先行発表された。栗山監督からは熱いメッセージが添えられた。「ここまで野球を頑張ってきてくれて、本当にありがとう。日本のために、力を貸してください」。磨き上げた右腕を世界に誇るのは、まだ先だ。(長田 亨)

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