ロッテ、30本塁打の難しさ…マリン移転後、日本人選手のシーズン最多本塁打は25本

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2023.1.6(金) 10:06

ロッテ・山口航輝 (C) Kyodo News

 「また30本を目指して一からやっていきます」。

 ロッテの山口航輝は、昨年10月の取材でこのように今季に向けての目標を掲げた。プロ4年目の昨季、シーズン最終盤の9月22日のオリックス戦で1試合に3本のアーチを描くなど、チームトップの16本の本塁打を放った。

 山口が目標に挙げる“30本塁打”、ご存じのマリーンズファンも多いと思うが、ロッテで30本塁打を打つというのはかなりの至難の業。

▼ 球団でシーズン30本塁打以上放った選手
落合博満(1985年 / 52本、1986年 / 50本、1981・1984年 / 33本、1982年 / 32本)
別当 薫(1950年 / 43本)
レオン(1980年 / 41本、1979年 / 35本)
アルトマン(1971年 / 39本、1968年 / 34本、1970年 / 30本)
ディアズ(1989年 / 39本、1990年 / 33本)
ベニー(2004年 / 35本)
L.リー(1977年 / 34本、1980年 / 33本、1984・1986年 / 31本、1978年 / 30本)
山内一弘(1963年 / 33本、1960年 / 32本)
フェルナンデス(2003年 / 32本)
レアード(2019年 / 32本)
ボーリック(2001年 / 31本)
D.メイ(2001年 / 31本)
M.ホール(1993年 / 30本)
李承燁(2005年 / 30本)

 球団でシーズン30本塁打以上放ったことがある選手は、毎日オリオンズとして球団が発足してからの72年でわずかに14人しかいない。チーム名が現在の千葉ロッテマリーンズとなり、本拠地を千葉マリンスタジアム(現ZOZOマリンスタジアム)に移転してから30本塁打以上放った選手はM.ホール、ボーリック、D.メイ、フェルナンデス、ベニー、李承燁、レアードの7人。日本人選手は初芝清氏の25本(95年・98年)がシーズン最多だ。

 マリン移転後、日本人選手でシーズン20本塁打以上放った選手を見ても初芝し、堀幸一氏、福浦和也氏、大松尚逸氏、サブロー氏、井口資仁氏、現在もロッテでプレーする井上晴哉の7人と、日本人の長距離砲がなかなか出てこない。

▼ マリン移転後に20本塁打以上放った日本人選手
初芝清(1995・1998年 / 25本、2000年 / 23本、1999年 / 22本)
堀幸一(2003年 / 22本)
福浦和也(2003年 / 21本)
大松尚逸(2008年 / 24本)
サブロー(2009年 / 22本)
井口資仁(2013年 / 23本)
井上晴哉(2018・2019年 / 24本)

◆ 山口に期待

 山口は今季プロ5年目を迎える成長過程の選手。昨季の16本塁打からの本塁打数アップは確実で、レギュラーに定着すれば毎年20本塁打以上は放つことだろう。

 山口は本塁打20、30本以上打つために必要なことについて「甘いボールを1球に仕留めることだと思います。また、速球を打ち返すことだと思います」と話した。

 昨年10月にZOZOマリンスタジアムで行われた秋季練習では「引っ張ったホームランは練習なら入る。引っ張るのは簡単。バックスクリーンを目掛けて練習しています。一番深いバックスクリーンの上の方を狙ってやっています」と打撃練習ではセンターから逆方向を意識。

 昨年秋の段階では昨年8月以降、「力を抜くために楽な位置で構えるようにしました」と、本塁打を量産した肘の位置を低くしたフォームを固めていきたいという考えを持つ。

 昨年シーズン最終戦でのソフトバンク戦で放った逆転3ランのように、本塁打はチームの流れを変えるだけでなく、相手にダメージを与えることができる。山口にはぜひ、今季30本塁打という目標を達成し、来年以降は40、50本打てるような打者に成長してほしい。そのための1年にしたい。

取材・文=岩下雄太

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