【日本ハム】金子千尋引退…他球団からオファーなく決断、球団はスタッフ入り要請

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2022.12.23(金) 02:00

今季限りで現役を引退することが分かった日本ハム・金子

 日本ハムから自由契約となっていた金子千尋投手(39)が、今季限りでの現役引退を決意したことが22日、分かった。プロ18年目のシーズンを終え、他球団でプレーを続行する可能性にかけてきたが、この日までに自身の去就について結論を出したもよう。自身のSNSでは、23日午後2時から会見することを発表した。

 数々の輝きを放ってきた金子が、ユニホームを脱ぐことを決断した。10月に自由契約となり、11月のファンフェスティバルでは「他球団からの話を待っています」と現状を報告。これまでのオフと同様にトレーニングも続けていたが、NPBの他球団から正式なオファーは届かなかった。

 トヨタ自動車から04年ドラフト自由枠でオリックスに入団。プロ1年目は故障などで1軍登板がなかった。「だからこそ、自由枠で獲ってくれた球団への恩は忘れない」と感謝の思いを持ち続け、エースとして飛躍。10年は17勝で最多勝を獲得した。14年には2度目の最多勝と最優秀防御率に、パMVP、沢村賞、ベストナインを受賞して計5冠。オフには大きな注目を集めた。

 同時期に国内FA権を取得し、国内の複数球団をめぐる争奪戦に発展。夢でもあった米大リーグに挑戦する可能性もあったが、オリックスに残留した。16年5月には、節目の通算100勝。プロ1年目の仰木監督をはじめ、歴代の指揮官の期待に応えてきた。

 35歳だった18年オフには、自由契約で日本ハムへ移籍。当時の栗山監督から電話で「千尋がどこ(のチーム)でプレーしたいとかは、とりあえずいい。俺は千尋と一緒にやりたい。一緒にやろう」と伝えられた言葉は心に響いた。19年には8勝するなど、在籍4年間で71試合に登板。プレーだけでなく、野球に取り組む姿勢は上沢や吉田ら後輩投手の模範であり続けた。

 過去の球団OBでは、中嶋聡(現オリックス監督)や矢野謙次(来季からアマスカウト)らが米国へのコーチ留学を経験。日本ハムは指導者の資質を評価し、スタッフとしてのチーム残留を要請しており、金子も同じ道をたどる可能性がある。通算130勝94敗5セーブ、防御率3・08。プロ生活で1度もリーグ優勝、日本一こそ達成できなかったが、18年間の功績は決して色あせることはない。

 ◆金子 千尋(かねこ・ちひろ)1983年11月8日、新潟県生まれ。39歳。長野商2年時の2000年春にセンバツ出場。トヨタ自動車から04年ドラフト自由枠でオリックス入団。10年に最多勝、13年に最多奪三振。14年は最多勝と最優秀防御率の2冠で、沢村賞とリーグMVP。18年オフに日本ハム移籍。通算387登板で130勝94敗5セーブ、防御率3.08。180センチ、77キロ。右投左打。年俸2000万円。

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