オリックス・宮城大弥投手（２１）が５日、大阪・舞洲の球団施設で契約交渉に臨み、３０００万円増の年俸８０００万円でサインした。今季、「由伸さんから１つでもタイトルを奪いたい」との目標は達成できず。高卒４年目の年俸も、同時期の球団最高額９０００万だった山本に届かなかった。来季は、１億円の大台突破とエース超えがテーマとなる。

　高卒４年目での８０００万円はイチローと同額。交渉では「３年連続２ケタ勝利と規定投球回」と大台突破のノルマを“逆提示”し、「来年お願いします」と訴えた。同２年目だった昨季は１３勝、今季は１１勝と積み重ね、左のエース格に成長したが、謙虚な性格で「今年は由伸さんに完敗なので」とつぶやいた。

　山本には２年連続で防御率、勝利数、勝率、奪三振のタイトルを独占された。「そこだけは自慢」と８月に受賞した月間ＭＶＰが唯一の“勝利”だった。球団との話し合いでは、午後１１時に締まる選手寮の大浴場について「１時間延長」を要望。小さなことでも、コンディション維持には必要だ。

　来年３月のＷＢＣも「もちろん選ばれたい。気持ちだけは準備しています」と見据える。入団時の７７０万円から１０倍以上の昇給。公約を果たせば、もっと欲張りに主張できる。（長田　亨）

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