宮本和知氏の分析 オリックス・中嶋聡監督は1、3戦目を落としても受け身に回らず攻めの采配

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2022.10.27(木) 07:00

5回、宇田川優希はベンチで山岡泰輔に迎えられる(カメラ・石田 順平)

◆SMBC日本シリーズ2022 第4戦 オリックス1―0ヤクルト(26日・京セラD)

 1点リードの5回1死、塩見に三塁打を許したところで中嶋監督はスパっと先発の山岡を代えた。三振をとれる宇田川を起用して2者連続三振。これが全てだったし、これが日本シリーズだよね。

 まだ無失点で、まだ70球。山岡はマウンドで「えっ? 交代?」という表情を見せていたけど、これはペナントレースじゃない。日本シリーズなんだ。オリックスはもう落とせない状況。中嶋監督は「リードしている時は動かない」というセオリーを破って動いた。1、3戦目を落としても受け身に回らず、攻めの采配をした。「1―0で逃げ切れる投手力がある」という自信の表れと言える継投だったね。

 今、シーズンでは特にクオリティースタート(6回以上自責点3以下)が重視されるけど、それは後手に回ることでもある。原監督もよく、こう言うんだ。「打たれる前に代える。打たれてから代えるのは誰にでもできる」ってね。この試合でいえば、同点まで我慢していたら1―0で逃げ切れなかったわけだし、中嶋監督の決断は見事だったよね。

 5回の火消しからイニングをまたいだ宇田川、7、8回を抑えた山崎颯のほれぼれするようなボールを見ながら、ジャイアンツのことを考えてしまった。あの場面で先発を代えられるようなリリーフ陣をつくらないといけない。今年の救援陣ではもちろん143試合もたない。来季に向けて、巨人のリリーフ強化が絶対に必要だと改めて感じさせる試合でもあったね。(スポーツ報知評論家・宮本和知)

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