佐々木朗希へ沢村賞選考委員から期待と激励“もっと投げて”「今が一番、体力と技術が身につく時期」

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2022.10.25(火) 06:10

佐々木朗を激励した沢村賞選考委員の堀内恒夫氏(左は山田久志氏、右は平松政次氏=カメラ・宮崎 亮太)

 シーズンで最も活躍した先発投手に贈られる「沢村賞」の選考委員会(堀内恒夫委員長=元巨人)が24日、都内で行われ、オリックス・山本由伸投手(24)の2年連続2度目の受賞が全会一致で決まった。選考基準を満たす「先発完投型」が激減し昨年に続き対抗馬不在の現状に、選考委員からは将来の受賞者候補としてロッテ・佐々木朗希投手(20)の“待望論”が相次いだ。

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 7項目の選考基準のうち、山本は12球団でただ一人5項目をクリア。4項目の投手はおらず、3項目が巨人・戸郷、ソフトバンク・千賀、西武・高橋の3人(ロッテ・佐々木朗は規定投球回未到達のため参考)と、選考レースは昨年に続いて“独走”だった。堀内委員長は「選ぶ方は楽だったけど、対抗馬がいないのは残念。他の投手の奮起を求めたい」と、改めて「先発完投型」の減少を嘆いた。

 分業制と中6日ローテが定着し、賞のハードルは高くなるばかり。通算203勝の堀内委員長を始め、いずれも200勝投手のレジェンドが並ぶ選考委員からは、来季以降の受賞者候補として、今季28年ぶりの完全試合を達成したロッテ・佐々木朗の名前が挙がった。

 平松政次委員(元大洋、通算201勝)は「13連続三振でパーフェクトなんて偉大な記録。そのまま1年間投げて13勝とかなら(選考は)ひっくり返っていた。将来、必ず沢村賞候補に入ってくる」と絶賛。山田久志委員(元阪急、通算284勝)は「スケールの大きさはずば抜けている」と期待を寄せた。

 とはいえ、20試合で9勝4敗、規定投球回にも到達していない今季の成績では受賞は遠い。堀内委員長は「伸びしろも多く、球界を背負って立つ投手になれるが、いかんせん(試合に)投げない」と、中6日どころか10日以上空けるケースもあった過保護ぶりに苦言。山田委員も「今が一番、体力と技術が身につく時期」と、実戦でのフル回転を求めた。

 朗希をプロ入り時から指導しているロッテの吉井新監督は、就任会見で「成績は時の運」としながらも、「中6日で25試合くらい、健康な体でマウンドに上がること」を来季の目標に掲げた。「25試合」は受賞基準をクリア。他の項目でも山本クラスの数字を残せば、プロ4年目の戴冠が一気に現実味を帯びてくる。(星野 和明)

 ◆北別府氏は文書で参加 村田氏は委員を辞退 選考委員会には堀内委員長と平松、山田両委員が出席。20年に成人T細胞白血病(ATL)を患ったことを公表した北別府学委員(元広島、通算213勝)は文書で参加した。また、08年から委員を務め、今年9月に羽田空港の保安検査場で検査員の肩を手で押すなどした暴行容疑で現行犯逮捕、送検された村田兆治氏(元ロッテ、通算215勝)は「本人から辞退の申し出があった」(事務局)という。今後、新たな委員が選任される見通しだ。

 ◆沢村賞 正式には「沢村栄治賞」。プロ野球史上初の無安打無得点試合を達成し第2次大戦で戦死した伝説の大投手、故沢村栄治氏(巨人)を記念し、1リーグ時代の1947年に制定された。シーズンで最も優れた先発完投型の投手に贈られる賞で、2リーグが分立した50年からはセの投手だけが選考対象となり、89年から両リーグに広げられた。当初は記者投票で選出されていたが、82年から受賞経験者らによる選考委員会で選出。受賞者には金杯と副賞300万円が贈られる。

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