堀内恒夫さんが日本シリーズ初戦を分析「空中戦になればヤクルトはがぜん有利に」

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2022.10.23(日) 06:40

8回無死、右越えソロ本塁打を放つ村上宗隆(カメラ・今成 良輔)

◆SMBC日本シリーズ2022 ヤクルト5―3オリックス(22日、神宮)

 「SMBC 日本シリーズ2022」が昨季と同じ顔合わせで開幕。初の2年連続日本一を目指すヤクルトが一発攻勢で先勝した。同点で迎えた3回に塩見泰隆外野手(29)のソロで勝ち越した。オリックスは先発のエース山本由伸投手(24)が5回、左脇腹の異変を訴え緊急降板。シーズンを含め自己ワーストタイの1試合2発を浴び、4失点と精彩を欠いた。

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 こんなに調子の悪い山本を見たのは久しぶりだ。シリーズ初戦の先発はどんな投手でも緊張するものだが、それにしても悪すぎた。

 オスナに打たれたのは初回、4回とも変化球。高めに抜けた。これほどの投手が、同じ打者に変化球を2球も失投するなど考えられない。

 山本をこんな状態に追い込んだのは塩見かもしれない。初回、山本にとってこの試合の初球。ストレートを左前に運ばれた。「ストレート系の球に強い」「初回からでも積極的に打ってくる」というのは、スコアラーが集めたデータで分かっていたはずだ。それなのに、魅入られたようにストレートを投げた。

 私も投手出身だから分かるが、いくらデータを頭に入れていても、大事な試合になればなるほど、マウンドに行くと頭から抜けてしまうことがある。山本はこれで自分のペースを見失った。しかも、ほとんど投げたことがない球場のマウンド。修正の仕方が分からなかったのか。そういうことを指摘されるようなレベルの投手ではないのだが…。

 山本は結局、5回途中、左脇腹がつって降板した。上体で投げるタイプの投手だから脇腹には負担がかかるのだが、原因がそれでなければいいが…。

 山本とヤクルト打線の対決に焦点が絞られるこのシリーズ。ヤクルトは相手の絶対的エースを攻略した上に、鍵を握ると見られていた塩見、オスナが調子に乗り、さらに村上にまで一発が出た。空中戦になればヤクルトが、がぜん有利になることがこれではっきりとした。(スポーツ報知評論家・堀内恒夫)

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