【オリックス】山本由伸、8回10K無四球0封 若月健矢の“復刻ミット”が快投導いた

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2022.10.13(木) 06:00

力投する山本由伸(カメラ・岩崎 龍一)

 ◆パーソル クライマックスシリーズ パ 最終S第1戦 オリックス5―0ソフトバンク(12日・京セラドーム大阪)

  オリックスがエース・山本由伸投手(24)の8回5安打無失点の快投で第1戦を制した。アドバンテージを含めて2勝0敗となり、パ・リーグでは過去の日本シリーズ進出の可能性が100%となった。ソフトバンクは投手陣の8四球の乱調もあり、19年から続いていたポストシーズンの連勝が18でストップした。

 山本が軽快な足取りでベンチへ戻った。視線の先には若月がいた。「ホッとした気持ちと、うれしい気持ちです」。8回2死二、三塁で周東を空振り三振。116球目、カーブを低めに制球した。ニタッと笑ってグラブタッチ。「もう2勝でしたっけ。とりあえず、かなりリードしました」と大きな1勝を運んだ。

 CS初登板だった昨年は最終S初戦で1―0の完封勝利。「初戦をすごく大事に思っている」と丹念に右腕を振った。先制点をもらった5回無死一、二塁では今宮のバントをお手玉。三塁で封殺できず、1死二、三塁とピンチを広げた。

 「あの打席が一番大事になった。とにかく低く、バットに当たってもゴロになるように投げました」。勝負所と決め、明らかにギアチェンジした。柳町、甲斐をともにフォークで空振り三振。リリースと同時にうなり声を上げ、相手のチャンスをひねりつぶした。第1Sで2本塁打7打点の4番・柳田は3打数無安打。8回を無失点で10奪三振、無四球の快投を演じた。

 昨季に続き、最優秀防御率や最多勝、奪三振などタイトルを独占した。複数回で最高勝率、完封を含む「投手5冠」を達成したのは史上初。「僕1人だけの力ではない」と周囲への感謝を忘れなかった。昨年は最優秀バッテリーに輝き、6月のノーヒットノーランでマスクをかぶっていた若月もその一人。「由伸が投げる試合は負けられない」と常に重圧があった。

 この日の決め球にもなったカーブや高速フォークなど、エースの変化球は実に高精度で多彩。女房役も進化に寄り添おうと、今季からキャッチャーミットを変更した。捕逸を防ぐため、ソフトボールがそのまま収まるほど捕球部が大きいのが特徴。「使わないだろうな…」と6年前につくったまま、保管しておいた“復刻ミット”が役に立った。

 4月まで続いた18連勝には及ばないが、これで7月23日のソフトバンク戦(京セラD)から11戦負けなしの7連勝。中嶋監督も「内容ももちろんですが、この結果がすべてだと思う」とうなった。1勝のアドバンテージ含む2勝0敗。パの最終Sでは突破率が100%だ。まずは2年連続の日本シリーズ進出。大黒柱が上昇ムードを完ぺきに仕上げた。(長田 亨)

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